専門家「プライバシー保護も求められる中、留置施設での自殺防止を徹底するのは難しい」

警察庁出身で京都産業大学の田村正博教授(警察行政法)は、留置施設での監視のあり方について次のように指摘します。

田村教授
「自殺に使える道具を持たせない、これはとても大切なことですし、ちゃんと見なければいけない。それによって(自殺を)防げることはかなりある」

一方で田村教授は、「容疑者や被告のプライバシー保護も求められる中、留置施設での自殺防止を徹底するのは難しい」と話しています。

田村教授
「ズボンの下に履くものは、取り上げるわけにいかない。トイレの中はまた 特にきちんと遮へいしましょうという対象にあたる。プライバシー保護をしていく限り、見えない空間はどうしても出てくるだろう。服装も、普通の服装を禁止することもできない」

田村教授は、当時の監視態勢を検証し再発防止策を検討することや、事件の解明を待っていた被害者などに十分に説明することが求められると指摘します。

松村祥史国家公安委員長は、今回の事態を「誠に遺憾だ」としたうえで、全国の警察に対して自殺の恐れがある被留置者への対策を徹底するよう指示したことを明らかにしました。

松村国家公安委員長
「被留置者の自殺等の各種事故を防止するため、留置管理業務の徹底を図るよう、警察を指導して参りたいと考えている」