私たちの足元にあるマンホールです。
このマンホールの「ふた」が販売されているんです。
レアものやその土地ならではのデザインなど、コレクターの心をくすぐる10枚が、新潟県長岡市で売りに出されます。

ずらりと並べられた、ま~るいふた。
長岡市の路上で活躍し、古くなって交換されたマンホールのふたです。
よく見ると、長岡を象徴する花火や桜、火焔土器が描かれたものや、幾何学模様など、個性あふれるデザインが刻まれています。

長岡市の下水道課が、下水事業を身近に感じてもらおうと販売することを決め、その内覧会が20日に開かれました。

【長岡市土木部下水道課 富樫智美さん】
「使用済みのマンホールは、通常であればスクラップして鉄くずとして処分されるが、新たな価値を見出してもらって、下水に親しみを持ってもらえればありがたいなと」

販売は限定10枚で、お値段は1枚3300円。
応募が多ければ抽選となりますが、2月1日に受付をスタートしてからこれまでに、県内外から35件の申し込みがあったそうです。

現在倍率が8倍になっているという一番人気の“マンホールふた”は…
長岡の豊かな四季が花火や雪で表された“逸品”です。

もう一つ人気を集めているのは、57年ほど前に製造された年代物で、重さはおよそ82kg!現在では数が少ない“レア”ものです。

ほかにも…

【記者リポート】
「1994年に製造されたこちらのマンホールは、私の1つ年上です。自分が生まれる前から私たちの生活を見守ってくれていると思うと、なんだかすごく歴史を感じます」

街中で改めてよく見てみると、マンホールのふたには実にいろいろなデザインがありました。

長岡のご当地キャラクター・花火の妖精「ナッちゃん」が描かれたものや、長岡で初めて発見されたことで有名な「火焔土器」。

さらには、長岡市をホームタウンにするプロバスケットチーム「新潟アルビレックスBB」を応援するものなど、長岡市内だけでもこれだけの種類の個性的な“ふた”がひそかに道端を彩っていたのです!

マンホールのふたに魅了された愛好家である『マンホーラー』たちの間では、自治体が発行するマンホールカードも人気なんだそうです。

【長岡市土木部下水道課 富樫智美さん】
「マンホールのふたには、市町村それぞれの観光名所や、人気なもの、有名なものをデザインに模しているものが多いので、ひとつのふたに長岡の魅力が詰まっている。マンホールを通して下水の魅力を知ってもらうとともに、日常生活でも下水を大切に使ってもらえるとありがたい」

“路上の芸術品”ともいうべき今回の長岡市の「マンホールのふた」の販売は、28日まで申込を受け付けているということですが、購入を希望する際には、指定の日時に受け取りに来て自分で持ち帰ることなど、いくつかの条件があるそうです。

気になる“ふた”の使い道ですが…
オブジェとして庭に飾ったりするほか、自分の生まれ年のふたを集めているという方もいるそうです!
長岡市では定期的にマンホールのふたを点検して、新たなものに交換しているということですが、通常であれば鉄くずとして売却していたものが、コレクターにとっては心くすぐる一級品になる…ということで、新たな楽しい試みとして注目です。