春を呼ぶお菓子として親しまれている高知版「ひなあられ」。来月の桃の節句を前に、製造が最盛期を迎えています。

華やかに彩られたポップコーン。高知版の「ひなあられ」として親しまれている「花きび」です。高知市大津のあぜち食品が毎年、1月から製造を始め、今が最盛期を迎えています。一日あたり100キロほど作る「花きび」は例年6万から7万袋を出荷している人気の商品。「高知に春を呼ぶお菓子」と呼ばれる理由がありました。

(あぜち食品 和田しほこ 代表取締役)
「この花きびが(量販店に)置かれだしたら、高知にもうすぐ春が来るんだなって思わせるお菓子で、おひなさまの雛菓子としても愛されるので、花きびが消えるころには本当に高知に春が来てるっていう、春を代表するお菓子になっています」

この「花きび」、以前は別の会社が製造販売をしていて、当時、高齢や担い手不足で廃業することになっていました。「高知の伝統の味」をなくさないために、2003年、製造を引き継ごうと手をあげたのがあぜち食品でした。

(あぜち食品 和田しほこ 代表取締役)
「高知で愛されているお菓子がなくなるっていうのはもったいないっていうことで、そういうこうとだったら私たちがやりたいということで、お願いして継承させていただきました」

60年以上前から高知で愛され続け、受け継がれ続けている「花きび」。春を思わすような彩りとほんのりとしたやさしい甘さには作り手の思いも込められています。

(あぜち食品 和田しほこ 代表取締役)
「家族みんなで色の濃いところを我先に食べるっていうのをよく聞くので、みんなで楽しくコミュニケーションをとるきっかけになってくれたらなと思います」

高知の昔ながらの雛菓子「花きび」は来月初旬まで販売されるということです。