パラ五輪出場と世界記録の更新目指して
アスリートとして挑戦を続ける一方、社会人としても新たな一歩を踏み出しました。別府市にある太陽の家での就労移行訓練を経て、十川選手は今年1月、オムロン太陽に入社。備品の清掃・整理のほか、小学校の出前授業のサポートなども行います。業務範囲は少しずつ増え、いずれは会社のSNSの運用も担当する予定です。

(十川裕次選手)「初めてする作業が多くて全然できないんですけど、教えてくれる人もいるから少しづつ覚えていきたい」
(オムロン太陽・辻潤一郎社長)「ハキハキとして自分の意見もしっかり述べられるし、やっぱりスポーツマンという第一印象。会社からパラリンピックに出場するということはそんなにないことですから、ぜひがんばってほしい」
去年、イタリアでの国際大会で2位の好成績を収め、10月の記録会では日本記録保持者のライバルを抑えて優勝するなど着実に結果を残してきました。

基礎的な体作りからサポートしてきた元走り高跳びの選手、河野吉喜さん。十川選手の潜在能力の高さから世界のトップも狙えると期待を寄せます。
(河野吉喜さん)「同じパラの選手と合宿してテストした時も、体のばねの能力が彼は他の選手よりもすごく高い。2人で言っているのは大きい話なんですけど、世界記録を目指して今がんばっている途中です」
パリパラリンピックに出場するためには今年5月の世界パラ陸上で2位以内に入る必要があります。まずは世界パラ陸上の出場権がかかった3月の記録会に向けて調整を進めています。

(十川裕次選手)「東京が終わってからパリには絶対出たいと思っていた。たくさんの人に応援されてここまで来ている。やっぱり1人ではなかなかできない部分もあったので。やっぱりそういう人がいるからやれていると思う。まずしっかり選ばれるようにがんばりたい」
東京からの2年半で更に成長を遂げた十川選手。力強い視線は夏のパリを見据えています。