アメリカのバイデン大統領は1日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸で暴力に関与したユダヤ人入植者らに制裁を科す大統領令に署名しました。

大統領令ではユダヤ人入植者によるパレスチナ人住民らへの暴力が「深刻な脅威になっている」と指摘。制裁の対象者はアメリカ国内の資産を凍結され、アメリカ人との取引も禁止となります。

これにあわせて、国務省は建物への放火で死者を出すなどした入植者4人を制裁対象として指定しました。

バイデン政権はイスラエルを支持する姿勢を示してきましたが、ガザでの民間人の犠牲者が増えるなか、アメリカの民主党支持層や若者の間でもパレスチナ側への同情論が広がっていて、制裁は国内世論にも配慮したものとみられています。

一方、国連のドゥジャリク事務総長報道官は、ガザ北部の住民の帰還に向け課題や条件を探る調査が始まったと明らかにしました。北部の治安や物流の状況を把握し、今後の本格調査につなげるとしています。

調査については先月、アメリカのブリンケン国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相が合意していたものですが、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘により、開始が遅れていました。