おととし冬の北京オリンピック中にドーピング問題が発覚したロシア出身でフィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手について、CAS=スポーツ仲裁裁判所は、4年間の資格停止処分とする裁定を下しました。

カミラ・ワリエワ選手は、2022年の北京オリンピック、フィギュアスケート団体戦でロシア・オリンピック委員会のメンバーとして金メダルを獲得しましたが、大会期間中に前年のロシア選手権でのドーピング検査で禁止薬物が検出されたことが判明しました。

当時15歳だったワリエワ選手側はこれまでに「祖父の心臓病の薬を誤って摂取した」と主張していましたが、CASは29日、「ドーピング違反が意図的でなかったということを立証できなかった」などとして、ワリエワ選手について2021年12月からの4年間の資格停止処分と、その間のすべての成績を失格とする裁定を下しました。

北京オリンピックでロシア・オリンピック委員会が失格となれば、3位だった日本は銀メダルに繰り上がる見通しです。

ワリエワ選手は30日以内に上訴することができるということです。

一方、タス通信によりますと、ロシアのペスコフ大統領報道官は「政治的な決定だ。同意できない」と反発し、「異議申し立ての仕組みがあれば当然行使すべきだ」としています。