(ブルームバーグ):堺化学工業は、AIサーバー向け需要の拡大を受けて積層セラミックコンデンサー(MLCC)用材料の生産能力を増強する方向で検討している。設備投資の規模を含め来年3月までに判断する。矢倉敏行社長がインタビューで明らかにした。
堺化学では2025年末から電子材料の売り上げが急増、一部製品の受注は前年の2倍に増えた。現在では電子材料事業が稼ぎ頭となっている。
矢倉氏はAI関連需要について、「こんな伸びるとは考えていなかった」と述べた。注文は現在、生産能力の上限に迫っているという。
事業環境を踏まえ、同社は現在、必要な生産能力の増強幅を精査している。矢倉氏によると2桁%の規模になる可能性もある。
MLCCメーカーは通常、バリウムとチタンの化合物を混合し、焼成・粉砕することで材料を自社生産している。ただ、AIサーバー向けなどに使われる付加価値が高いコンデンサーの材料は堺化学に調達を頼っていると矢倉氏は説明した。
取引先のMLCCメーカーは、打ち合わせのたびに発注見通しを引き上げているという。ブルームバーグのデータによると、堺化学の顧客には村田製作所や太陽誘電などが含まれる。
堺化学の技術の源流は100年以上前にさかのぼる。同社は、かつて白粉(おしろい)に使われていた鉛白(えんぱく)に代わる安全な原料として、酸化亜鉛の製造を始めた。そこで磨いた微細で粒径のそろった粉末をつくる技術が、現在はAIデータセンター向けコンデンサーの材料に生かされている。
需要の伸びはやや鈍化しているものの、矢倉氏は少なくとも2027年いっぱいは現在の市場環境が続く可能性が高いとの見方を示した。
一方、需要が旺盛で生産能力が不足する中でも、投入コストの上昇分を超える値上げは考えていない。矢倉氏は、こうした価格政策が企業価値の重しになっている面も認めつつ、「まじめなんです」と語った。
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.