(ブルームバーグ):インド証券取引委員会(SEBI)は、富裕層向けファンドである4630億ドル(約73兆円)規模のポートフォリオ運用業界に対して、海外証券への投資と株式オプションの空売りを初めて認める。規制の大幅な見直しの一環となる。
SEBIはまた、ファンドによる非上場債券への投資を認めるほか、顧客資産の最大1.25倍まで上場デリバティブのエクスポージャーを取ることを認める。24日の理事会後に明らかにした。ポートフォリオ運用会社は、規定された上限までヘッジなしのショートポジションを取ることも可能になるが、SEBIは具体的な上限を示していない。今回の見直しは、SEBIが7月に示した協議文書を踏まえたものとなる。
専門家による運用や個別ニーズに合わせた投資商品を、富裕層が求める傾向が強まる中、インドではポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)と呼ばれる業界が近年急速に成長している。SEBIのデータによると、8月時点の運用資産は約44兆4000億ルピー(約73兆2000億円)と、前年の40兆ルピーから増加した。さらに今回の見直しにより、投資の選択肢は大幅に広がる。
今回の措置により、富裕層のインド人には、AI関連株への需要が急増している海外市場に投資する新たな手段も加わる。インドではすでに個人による外国証券への直接投資が認められているほか、投資信託も規制上の上限の範囲内で海外に投資できる。新たな規則は、海外投資家による資金流出が続き、ドルに対してルピーの下落圧力が強まる中で導入される。
SEBIによると、外国の株式や債券への投資は、インド居住者が1会計年度当たり最大25万ドルを海外に送金できる送金自由化制度(LRS)を通じて認められる。一方、投資信託には70億ドルの上限が設定されており、数年前にすでに上限に達している。
インド準備銀行(中央銀行)が先月公表したデータによると、インドの居住者は6月、LRSを通じて4億5700万ドルを海外に送金した。
ポートフォリオ運用会社が、ヘッジを伴わないオプション取引を通じて個別銘柄の下落を見込んだ取引を行えるようになれば、インドの取引所で売買高を下支えする可能性がある。インドでは、投機的な取引を抑えるためSEBIが数年にわたって規制を課しており、売買高の伸びが鈍化している。
SEBIはまた、最小投資額を250万ルピーとする新たな「投資信託限定」のPMS商品も承認した。通常のPMS商品の500万ルピーの半額となる。
これとは別に、SEBIは外国ポートフォリオ投資家(FPI)に対し、現金決済ではない非農産物のコモディティーデリバティブの取引を認めた。市場参加者の裾野を広げることが狙いだ。こうした商品では最近、個人投資家の取引が活発化している。
SEBIによると、FPIが取引に参加するには、現物の受け渡し義務が発生する前にポジションを解消することが条件となる。
原題:India Lets Wealth-Focused Funds With $463 Billion Invest Abroad(抜粋)
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