(ブルームバーグ):イタリアの銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは、競合するインテーザ・サンパオロによる自社の買収を阻止するため、総額340億ユーロ(約6兆3200億円)で銀行2行の買収を目指している。
モンテ・パスキの21日の声明によると、2日前の市場終値に基づき、バンコBPMを253億ユーロと評価する全額株式交換による買収提案と、バンカ・ゼネラリを87億ユーロと評価する同様の提案を行う。ブルームバーグ・ニュースが先に報じた内容を確認した。
計画の一環として、モンテ・パスキはイタリアの保険会社アッシクラツィオーニ・ゼネラリの保有株式と現金を組み合わせ、40億ユーロの特別配当を実施する。
この大勝負は、モンテ・パスキのルイジ・ロバリオ最高経営責任者(CEO)が、2カ月余り前に受けたインテーザからの買収提案を阻止するため、あらゆる手段を講じていることを浮き彫りにしている。これに先立ち、バンコBPMとの対等合併を実現する構想は頓挫し、ロバリオ氏が最も望んでいたとみられる防衛策は閉ざされた。
スクエア・グローバル・マーケッツのスペシャル・シチュエーションズ共同責任者ニコラス・マームレク氏は、モンテ・パスキが「守勢から、一か八かの勝負に転じた」と指摘。「700億ユーロ規模のグループをつくり、インテーザの提案を、より大きな国内銀行グループを解体する買収案のように見せる狙いだ」と分析した。
バンカ・ゼネラリを買収すれば、モンテ・パスキはウェルスマネジメント事業を拡大できる。一方、バンコBPMと統合すれば、イタリア北部の富裕地域の一部で事業基盤を強化できる。
どちらの取引も単独で実現するだけでも難しく、両方を同時に成立させるのはさらに困難とみられる。ロバリオ氏はすでに買収したメディオバンカの統合作業にも追われている。
同氏はまた、自身の計画がインテーザの提案より優れているとモンテ・パスキの株主に納得させる必要がある。インテーザの買収提案により、イタリア法上のいわゆる「パッシビティー・ルール」が発動しているため、ロバリオ氏が計画を進めるには、少なくとも3分の2の株主から支持を得る必要がある。
モンテ・パスキは10月29日に株主総会を招集し、計画の承認を求める。
ロバリオ氏は買収対象2行の株主も説得する必要がある。その中には、バンコBPM株を約30%保有する仏銀行クレディ・アグリコルや、バンカ・ゼネラリの過半数株主であるゼネラリが含まれる。
モンテ・パスキは声明で、バンコBPM株1株につき自社株1.567株、バンカ・ゼネラリ株1株につき自社株6.958株をそれぞれ割り当てると説明した。
20日時点のバンコBPMの時価総額は254億ユーロ、バンカ・ゼネラリは80億ユーロだった。
モンテ・パスキによると、年間26億ユーロのシナジー効果を織り込むと、2件の買収が実現すれば2028年の1株利益は約11%押し上げられる見通し。特別配当に加え、30年までにモンテ・パスキの株主への累計還元額は150億ユーロを超える見込みだ。
同行は声明で、今回の買収が実現すれば「銀行、アドバイザリー、ウェルスマネジメントの各分野で際立った能力を備え、象徴的なブランドと地域に深く根差した事業基盤を併せ持つ国内大手が誕生する」とした。来年2月半ばまでに買収提案の完了を見込んでいる。
原題:Paschi Offers to Buy BPM, Banca Generali for €34 Billion (1)(抜粋)
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