任天堂が6日に発表した4-6月期(第1四半期)営業利益は、前年同期比約2.5倍の1426億円と、市場予想の741億円を上回った。家庭用ゲーム機「スイッチ2」の値上げに伴う駆け込み需要があったほか、新作タイトルの好調な販売が貢献した。

米国の関税還付やソフト販売の好調が利益を押し上げた一方、9月に予定される欧米での値上げ後もスイッチ2の販売が勢いを維持できるかが今後の焦点となる。

発表資料によると、第1四半期のスイッチ2ハードの販売台数は、同34%減の382万台だった。新作タイトルの投入を背景に、ソフト販売本数は同9.2%増の946万本。「トモダチコレクション わくわく生活」や「ぽこ あ ポケモン」などのソフトがハード販売を下支えした。

スイッチ2のコントローラー

関税還付が貢献したことで、売上総利益率(粗利率)は前年同期の32%から54%に大きく改善した。7月31日に決算発表したソニーグループも、コスト改善に加えて米国の関税還付や円安が追い風となったことが、利益を押し上げた。

市場では、任天堂の第1四半期を評価する声が聞かれる。モーニングスターの伊藤和典ディレクターは、関税還付の影響を除いても900億円以上の営業利益が出ており、「ポジティブと考えて良い」と指摘した。ハード販売が上振れても利益への寄与はそれほど大きくないが、ソフトの販売が想定以上に好調だったことが上振れにつながったと分析した。

東洋リサーチアドバイスの安田秀樹アナリストは、想定より関税還付は少なかったと指摘しつつも、映画のヒットが安定的に見込めるようになった現状を前向きに捉える。一方で、今後はハードの採算性悪化が予想されるため、ソフトをいかに拡販できるかが焦点になるとした。

通期見通し据え置き

任天堂は今期(2027年3月期)の営業利益見通しを3700億円に据え置き、スイッチ2ハードの販売計画1650万台、ソフト販売計画6000万本も維持した。ハードの販売計画は市場予想を下回っており、会社計画は引き続き慎重な見方を示している。

同社は、メモリーを中心とした部材の価格高騰を理由に5月に国内でスイッチ2を値上げしており、一時的な駆け込み需要が下支えしたとの見方もある。ただ、市場には値上げだけでは採算性の改善は限定的との見方もあり、収益力の持続性を懸念する声も出ている。

ペラム・スミザーズ・アソシエイツの日本株アナリスト、ペラム・スミザーズ氏は、一部のスイッチ2向けソフトの販売が期待外れだったと指摘。9月に予定されている欧州と米国での本体価格引き上げが実施されれば、スイッチ2の販売に影響が及ぶ可能性があるとの見方を示した。

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--取材協力:アリス・フレンチ.

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