(ブルームバーグ):ウォール街の銀行員は、再び市場の変動の恩恵を受けることになりそうだ。
報酬コンサルティング会社ジョンソン・アソシエーツによると、投資銀行部門と商業銀行部門の行員の賞与は今年、他の金融部門を上回る業績を背景に、10-15%以上増加すると予想される。株式トレーダーや、M&A(企業の合併・買収)助言を手掛ける投資銀行員の賞与は、さらに大きく増える見通しだ。この予測は、大手銀行が株式トレーディング、アドバイザリー業務、引受業務の好調を背景に、4-6月期(第2四半期)として過去最高の利益を計上したことに基づく。
ジョンソン・アソシエーツのアラン・ジョンソン代表は、インタビューで「銀行業界は引き続き好調だが、トレーディングやM&Aは勢いが鈍ると考えていた。それが実際にはそうなっていない。好調が続き、一貫して高い水準を維持している」と語った。
ジョンソン・アソシエーツが5日に公表したリポートによると、株式トレーディング、営業、引受業務を担当する銀行員の賞与は、30%以上増加する可能性があり、金融業界で最も高い伸びとなる見通しだ。市場の変動を背景に顧客の取引が活発化したことや、投資銀行業務の業績改善が銀行収益を押し上げた。
ジョンソン氏は、長く停滞していたM&A市場で積み上がっていた案件がようやく動き始めていると述べた。スペースXの大型新規株式公開(IPO)では、ウォール街の金融機関に総額5億ドル(約788億円)の手数料収入がもたらされ、共同主幹事を務めたゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーは、それぞれ約1億ドルを獲得した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、JPモルガン・チェースも、それぞれ7500万ドルを受け取った。
債券トレーダーの賞与は7.5-12.5%と、比較的穏やかな上昇率となる見通しだ。
トランプ米大統領の政策変更や中東地域での戦争、金利見通しの変化を背景とする地政学的な不確実性により、市場の取引は活発になり、ウォール街に追い風となった。ジョンソン・アソシエーツは、地政学的混乱と信用市場のストレスが、年後半も業界を左右する主要な要因になるとみている。
プライベートは出遅れ
好調な市場環境は、金融業界の他の分野にも恩恵をもたらしている。伝統的な資産運用会社は市場の上昇に支えられ、ヘッジファンドも過去20年間で最も多い四半期ベースの資金流入を記録するなど好調だ。幅広い経済動向を投資対象とするマクロファンドも、不安定な市場環境への対応策を求める投資家の需要を背景に、高い運用成績を維持している。
一方、プライベート市場はそれほど好調ではない。ジョンソン・アソシエーツによると、プライベートクレジット部門の賞与は最大10%減少する可能性がある。
厳しい資金調達環境や投資回収の鈍化がプライベートエクイティー会社の重荷となり、投資家への分配金は過去最低水準に落ち込んでいる。大手運用会社の賞与は2.5-7.5%増加する可能性がある一方、中小運用会社では横ばいとなる見通しだ。
それでも、金融業界全体としては引き続き好調を維持している。ジョンソン氏によると、案件の積み残しや経済の底堅さを背景に、この好調な流れは年後半も続く見通しだ。
原題:Wall Street Investment Bankers’ Bonuses to Climb as Deals Surge(抜粋)
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