米民主党の上院議員らは、予測市場で山火事を対象にした取引を規制するよう、米商品先物取引委員会(CFTC)に求めた。賭けで利益を得ようとして放火に及ぶ人が出てくる恐れがあるとの懸念を示した。

マークリー上院議員らはCFTCのセリグ委員長宛ての書簡で、「米国が今年も記録的な山火事シーズンに直面するなか、CFTCは山火事を対象とした予測市場で制限のない賭けを認めるべきではない」と訴えた。

書簡にはマークリー氏を含め9人の上院議員が署名した。いずれも山火事の被害を受けた州の選出で、CFTCを所管する上院農業委員会の民主党トップ、クロブシャー議員も含まれている。

議員らは書簡で、国内外のプラットフォームで山火事を対象とした予測取引を規制する方針があるかどうかをCFTCに尋ねた。予測市場のポリマーケットで、2025年初めにカリフォルニア州で発生したパリセーズ火災とイートン火災を巡る取引額が120万ドル(現在のレートで約1億8900万円)超に達したことを挙げた。

カナダ各地で発生した大規模な山火事の煙がここ数週間に米国の人口密集地まで広がり、大気の質を悪化させている。マークリー議員の地元オレゴン州でも複数の山火事が発生し、地元紙ステーツマン・ジャーナルによると、7月下旬までの州内の焼失面積は約170万エーカー(約6900平方キロメートル)に達した。

CFTCは、書簡についてのコメント要請にすぐには応じなかった。

ポリマーケットは電子メールでの声明で、「悲劇が起きると、人々はニュースに解説を求め、ポリマーケットには情報を求める」と説明。「こうした市場に付随するリスクは認識しているが、市場をなくしても悲劇を防ぐことにはならない。次に何が起きるかを見極めようとする人たちが、市場が示すタイムリーな情報を入手しにくくなるだけだ」と指摘した。

この1年半で急速に利用が広がった予測市場では、スポーツや授賞式から国際情勢まで幅広いテーマを巡って賭けることができる。CFTCは予測市場をデリバティブ取引所とみなし、規制を強化する案について寄せられた意見を検討している。公共の利益に反し、禁止すべき契約があるかどうかも検討対象となっている。

一方、カリフォルニア州の山火事に特化した予測市場「Wyldfyre(ワイルドファイア)」も登場した。サイトでは「火災を予測できなくても、火災を巡る取引はできる」とうたっている。ただ、現行版では実際の資金は使わず、「ゲーム用マネーのみ」と強調している。

利用規約では、購入や入金、払い戻しが一切ないため、「金融サービスや賭博に関する規制の対象外だ」と説明している。サイトには開設者や運営主体に関する情報が記載されていない。

ワイルドファイアもコメント要請にすぐには応じなかった。

CFTCの監督下にある予測市場のカルシや、米連邦規制下で運営されるポリマーケットUSは、山火事に特化した契約を取り扱っていない。

カルシは声明で、「すべての予測市場がこうした商品を扱っているわけではない。カルシでは、望ましくない行動を招きかねないため禁止している」と説明した。ただ、多くの事業者は地震やハリケーンなどの自然災害を対象とした取引は認めている。

一部の専門家はその違いについて、地震やハリケーンが自然現象とみなされる一方、山火事は人為的に発生することが少なくないためだと指摘する。

カリフォルニア大学バークレー校で火災を研究するマイケル・ゴルナー准教授は、「特にカリフォルニア州では、大半の山火事は人為的に発生している」と話す。出火の多くは過失によるものだが、放火が原因となる場合もあるという。

原題:Prediction Market Bets on Wildfires Scrutinized by Senators (2)(抜粋)

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