(ブルームバーグ):ディーゼル燃料はロシアの輸出が途絶えるリスクに加え、米国とイランの戦争による物流の混乱も重なり、供給がとりわけひっ迫していると、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
ゴールドマンのグローバル商品調査共同責任者のサマンサ・ダート氏は3日、「ロシアの状況は、われわれが非常に懸念している要因の一つだ」とし、「ロシアの問題は、いまや4年も続いている。今後もそれが続くだろう」と述べた。
米国とイランの戦争が長期化する中で、世界のエネルギー価格は7月に急騰。ウクライナがロシアの石油精製施設や燃料輸出ルートへの攻撃を強化したことも、相場を押し上げた。
ディーゼル燃料は鉱工業や農業、物流などで幅広く使用されることから、世界経済にとって欠かせない燃料だ。7月には北海ブレント原油先物が24%上昇したが、欧州の軽油先物はそれを大きく上回る42%の上昇を記録した。
ロシア当局は相次ぐ攻撃による供給不足を避けるため、ディーゼル燃料の大半について輸出禁止措置を9月1日まで延長した。エネルギー政策を担当するノバク副首相は、国内市場が回復すれば輸出規制を解除する方針を示している。
ゴールドマンのダート氏は、ブルームバーグテレビジョン出演後にシンガポールで行われたインタビューで、「ロシアの原油輸出は実際のところ問題ないが、石油製品の輸出はそうではないことが極めて明らかだ」と指摘。「それこそが、自分が最も懸念している供給障害だ。いつ終わるのか分からないからだ」と語った。
ダート氏の発言に先駆け、米石油大手のエクソンモービル・ホールディングスとシェブロンは先週、向こう数カ月で原油価格が下落するとしても燃料価格の高止まりは続く公算が大きいと警告した。
ダート氏はウクライナおよび中東を巡る戦争を挙げ、攻撃で「精製能力が打撃を受け、その一部を修復しても、再び攻撃を受けている。ロシアでは日量400万バレルを超える精製能力が稼働停止となっている」と説明した。
ディーゼル燃料は米国でも小売価格が上昇し、産業界や農家、運転手らの負担が増している。米自動車協会(AAA)によると、全米平均の店頭価格は1ガロン当たり約5.36ドルと、6月初め以来の高値に上昇した。
原題:Goldman Says Russia ‘Worries Us a Lot’ as Diesel Crunch Builds(抜粋)
--取材協力:Haslinda Amin、Anand Menon、松山かの子、Katharine Gemmell、Naman Tandon.
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