(ブルームバーグ):米資産運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)が運用する株式60%、債券40%の伝統的な資産配分に基づく投資信託に、今年上期だけで100億ドル(約1兆5700億円)超の資金が流入した。世界市場の大きな値動きを受け、この運用手法の有効性に疑問の声が上がることもあったが、今回の資金流入は投資家の根強い需要を示した。
アジア(日本を除く)担当グローバルウェルスマネジメント責任者マルシオ・ボゴリシン氏によると、今年は台湾、香港、シンガポール、中国本土の富裕層顧客が主要な投資家となっている。中東情勢を巡るリスクを見極めたうえで投資を進めたという。
イランを巡る戦争の長期化で原油価格は変動し、インフレ懸念が強まるとともに、金利上昇の可能性も高まった。こうした状況は債券の魅力を低下させ、株価が下落した際に60対40ポートフォリオで債券が緩衝材になるとの見方を揺るがしている。一方、ピムコのファンドは2桁の運用成績を背景に資産を伸ばしている。
ボゴリシン氏はインタビューで、「今年は力強い滑り出しとなった。3月には戦争勃発を受けて投資家は一時立ち止まった」ものの、ファンドへの資金流入は「引き続き堅調だった」と話した。
ピムコの「バランスト・インカム・アンド・グロース・ファンド」の運用資産は6月末時点で163億ドルとなり、2025年末から2倍超に拡大した。昨年は21.65%のリターンを記録し、今年上期も手数料差し引き後で10%を超える運用成績を上げた。
ボゴリシン氏によると、株式比率60%の運用では昨年、株価が急伸していたサムスン電子、SKハイニックス、台湾積体電路製造(TSMC)などに資金を投じ、AI関連投資の恩恵を受けた。今年に入り、これら銘柄の保有比率を引き下げ始めた。最近では、日本など米国以外の市場で、半導体製造装置メーカーへの投資機会を探っているという。
モーニングスターが同様の資産配分を採用するファンド250本を対象にまとめた最新データによると、このファンドは2025年初めからの純資金流入が140億ドル超となり、2位のアリアンツ・インカム・アンド・グロースの約3倍に達した。
モーニングスターのシニアアナリスト、サム・ホイ氏は、ピムコのファンドについて、比較的高めの「中立的な株式配分」が追い風になったと分析。そのうえで、「独自の60対40ベンチマークも上回っており、株式と債券の銘柄選択の強さを示している」と評価した。
原題:Pimco 60/40 Fund Attracts $10 Billion Inflows on Asia Demand(抜粋)
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