円急騰を受けた3日の株式相場は下げているものの、企業の2026年度業績計画の前提為替レートよりも依然として円安水準であることから、ストラテジストらは反発に転じる可能性もあるとみている。

日米財務相は3日、7月31日の外国為替市場で日米が協調介入を実施したことを表明した。これを受けて円は一時対ドルで155円台まで急上昇した。為替の急激な変動で株式投資家のリスクセンチメントは悪化し、東証株価指数(TOPIX)は一時3.1%下落した。

ただ、円高に振れても日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)が示す大企業・製造業の想定151円49銭に比べて円安水準であることに変わりはなく、為替が業績に大きな影響を与える状況ではない。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「もともと日本株は円安を材料に上昇してきたわけではない。にもかかわらず、円高進行で機械的に売られている」と述べた。企業の想定レートあたりの水準であれば業績の下押し要因にはならず、自動車株は決算次第で「仕切り直し」もあり得るとみる。

日本株と円との相関は足元で弱まっていた。7月に円が対ドルで約40年ぶりの安値に下落した中、株式相場はAI・半導体関連株の急落で軟調だった。TOPIXと円の連動性(30日周期)も、25年後半の0.5近辺から半分ほどに低下した。円安は製造業などの業績を押し上げる効果がある半面、行き過ぎた円安は物価高を通じて景気を冷やすほか、海外勢の買いを抑制するとの見方がある。

大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストも、ドル・円と株式の連動性は鈍くなっていたと指摘し、1ドル=150円台前半程度までなら業績見通しの下方修正リスクはなさそうだとみる。円高がどこまで進行するのか読みづらい不透明感が株式相場の重しになっているものの、「本来、円高のデメリットは生じない」と話す。

とはいえ、米国との協調介入であることや、当局が追加対応も辞さない姿勢を示しているだけに、短期的には為替の急変動による警戒や機械的な売りが出やすい。

野村証券の沢田麻希ストラテジストは、さらなる為替介入への警戒はあるとした上で、輸出企業の今期業績は為替水準や25年比での米関税影響の一巡などから改善を見込む。円高進行で売られている企業群は、決算発表を経て買い戻される可能性があるとの見方を示した。

--取材協力:佐野日出之.

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