ハンガリーは、首都ブダペスト南方にある国内唯一のパクシュ原子力発電所の運転を初めて停止する。ドナウ川の水位が原子炉冷却に必要な最低水準を下回ったことを受けた措置。

マジャル首相はフェイスブックへの投稿で、稼働中の原子炉2基のうち1基を現地時間2日午前1時30分(日本時間同午前8時30分)に停止し、残る1基も同日中に停止すると明らかにした。

運転開始から44年となる同原発の停止により、国内の発電能力は40%以上が失われ、同国はよりコストがかかる電力輸入に依存せざるを得なくなる可能性が高い。

これに先立ちマジャル氏は、中欧で再び熱波が予想される中、ハンガリーは過去数十年で最悪のエネルギー危機に直面していると、7月31日に警告。ドナウ川の低水位が続けば、発電能力2000メガワットの同原発は数週間にわたって停止したままとなり、国内の電力システムへの負担が長期化する恐れがあると述べた。

政府はすでに、電力を大量に使う自動車メーカーや電池工場などに対し、送電網への負担を軽減するため、電力消費の削減を求めている。必要に応じて自主的な節電を義務化できる法的措置を承認したほか、緊急計画には病院などの重要なサービスを維持するためのより広範囲に及ぶ制限も盛り込んでいる。

今回の干ばつは、ハンガリーの水資源システムの脆弱(ぜいじゃく)性も浮き彫りにしている。灌漑(かんがい)網の老朽化による農業生産への影響が強まる中、政府は長年先送りされてきた改修事業に着手したばかりだ。

欧州のエネルギーインフラを巡り、長引く干ばつや猛暑による影響が深刻化していることも改めて示された。欧州各地では、水不足や記録的な気温、森林火災によって電力システムに負荷がかかり、農作物にも被害が及んでおり、異常気象による経済的損失は拡大している。

マジャル氏によると、31日にはブダペスト北方のドナウ川沿いにある景勝地センテンドレで、水需要が供給能力を上回り、数千人が断水に見舞われた。軍は給水車2台を派遣し、水7000袋を配布した。

原題:Hungary to Shut Its Only Nuclear Plant for First Time on Drought(抜粋)

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