(ブルームバーグ):ナイキにとって、今年のサッカー・ワールドカップ(W杯)の結末は期待通りではなかった。
19日の決勝では、スペイン、アルゼンチンの両チームがアディダス製のユニホームを着用して対戦。スペインがアルゼンチンを下して優勝した。両チームは準決勝で、それぞれナイキ製ユニホームを着たフランスとイングランドを破って勝ち進んだ。
ナイキのようなスポーツウエア・スニーカー大手にとって、自社契約チームが決勝進出を逃すことは、ファンによる関連商品購入を見込める収益機会の逸失を意味する。この週末、米国をはじめとする各地のファンが、アルゼンチンのリオネル・メッシ選手やスペインのラミン・ヤマル選手の名前や背番号が入ったユニホームを着用し、ナイキの最大のライバルであるアディダスの収益に貢献した。
ブルームバーグ・ニュースが確認した大会終了後のメモで、ナイキ・フットボールのバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、カミロ・アンドラーデ氏は、「われわれが夢見ていた結果にならなかったことは分かっている」とした上で「試合結果や誰が優勝杯を掲げたかにかかわらず、私たちはやるべき仕事をやった」とも記した。
エリオット・ヒル最高経営責任者(CEO)の下でスポーツ分野を重視する戦略へと再編成を進めたナイキは、W杯をサッカー市場で存在感を高める大きな機会と位置付けていた。
アンドラーデ氏はメモで、「計画通りに実行し、コントロールできることはコントロールした」と振り返った。
同氏はまた、逆境があったことも認め、「不利な状況や数々の困難に直面しながらも、このチームは見事な復活劇を成し遂げただけでなく、ナイキと世界に信じる理由を与えた」と述べた。
ナイキのユニホームは大会開幕前、肩部分にしわが寄るとして批判を受けた。また、生産の遅れにより、大会関連商品の一部は小売店への納入が遅れた。
同氏は、ナイキには「女子サッカーをリードし、主導権を握る大きな機会がある」とみる。女子W杯は来年、ブラジルで開催される。
ナイキは今大会で、米国、カナダ、ノルウェーを含む多くの代表チームにユニホームを供給した。
「前進し続け、信じ続け、挑戦し続けよう。そうすれば、いずれ圧倒的な存在になれる」と同氏は力を込めた。
サッカー以外でも、アディダスがスポンサーとなっている選手はここ数カ月で相次いで好成績を挙げている。今年のロンドンマラソンでは、アディダスが支援する2人のランナーが記録的なタイムをマークし、ナイキも目標としてきた2時間の壁を破った。さらに、ジョシュ・カーはブルックスのシューズを履いて男子1マイルの世界記録を更新した。
ナイキは依然として、長期にわたり伸び悩む売上高の立て直しを迫られている。米国市場とランニング部門では業績が改善している一方、中国市場と「コンバース」ブランドの低迷が続いている。
原題:Nike Soccer Boss Says World Cup Ending Wasn’t ‘What We Dreamed’(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.