(ブルームバーグ):7月の地方債市場で10年物の国債カーブスプレッド(上乗せ金利)が3カ月ぶりに拡大し、発行利率は過去約20年の最高水準を更新した。今後、財投機関債や高格付け社債などの発行条件にも影響を及ぼす可能性がある。
地方債協会が公表するデータによると、3日に発行条件が決まった広島県、福井県、千葉市などの10年債6銘柄の平均利率は約2.99%と、比較可能なデータが残る2006年度以降で最高となった。スプレッドは20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、前月から2bp拡大し、25年5月以来の水準となった。
野村証券市場戦略リサーチ部の林秀昭シニア・クレジット・アナリストは、金利上昇や株価上昇を背景に投資家による低利率債の売却が進み、流通市場で地方債の実勢スプレッドが拡大していると話す。それが新発債の発行条件にも波及しているとし、今後は財投機関債や高格付け事業債にも影響する可能性があるとの見方を示した。
地方債はリスクウエートが国債と同じゼロの安全資産で、財投機関債や鉄道会社など高格付け事業債のスプレッドを決める目安の一つとなる。財政拡張への警戒や日本銀行のインフレ対応が後手に回るとの見方から国債利回りへの上昇圧力が強まる中、地方債のスプレッド拡大や利率上昇は地方自治体だけでなく、円建て債の発行体全体で資金調達コストが上がり得ることを示す。
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