6日の日本市場ではAI関連から機械や自動車に資金が向かい東証株価指数(TOPIX)が上昇、史上最高値を更新した。原油安による景気見通しの改善や為替の落ち着きが支えになった。債券は午後に下げが広がり(金利上昇が加速)、円はじり安で推移している。

TOPIX終値は4101と6月22日の最高値(4095)を上回った。防衛や輸送機器、機械など幅広い銘柄に買いが入り、指数を押し上げた。一方、ソフトバンクグループやキオクシアホールディングス、太陽誘電といったAI・半導体関連は下落、日経平均株価は値下がりした。長期金利(10年国債利回り)は1996年以来の高水準を午後に更新、円相場は対ドルで162円台まで下落した。

「KABUTO ONE」のディスプレイ

相場のけん引役だったAI・半導体から投資マネーのすそ野が周辺に広がり、日経平均に出遅れていたTOPIXは6日連続の上昇と2025年8月以来の続伸になった。AIについては国際決済銀行(BIS)がバブル崩壊リスクを警告したばかりだ。

フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は日本株について、年初から大きく上昇した値動きの大きいAI・半導体株の利益を確定し、価格変動の小さいバリュー(割安)株へ資金を振り向ける動きは自然だと述べた。

株式

機械や銀行、輸送用機器への買いが支えにTOPIXが上昇、採用銘柄の7割以上が値上がりした。一方でAI・半導体関連は軟調だった。

大和証券投資情報部の坪井裕豪チーフストラテジストは、循環物色が続いており、日本市場から資金が抜けている様子はないと指摘。半導体関連株の一角は、ASMLホールディングや台湾積体電路製造(TSMC)など大型決算を見極めたい投資家が多く、積極的な買いが控えられる一方、利益確定の動きから売りに押されていると話した。

個別銘柄では三菱重工業株やIHIなどが大幅高。日英伊が共同開発に取り組む次期戦闘機を巡り、防衛省は3カ国政府でつくる国際機関と設計などを担う合弁会社との契約を2027年末までに延長すると共同通信が報じた。また防衛省が局を増設する方向で、国際連携を所管する局が有力との報道も材料視された。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、防衛省の局増設に関する方向性が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に明記されば防衛政策が具体的に早く進むことになるだろうと指摘。日英伊の次期戦闘機開発を巡っては、連携先を米国だけでなく多極化していくことはポジティブと話し、防衛関連の需要先が海外も含めて出てくることでポテンシャルは引き続きあるだろうと述べた。

イビデン株などプリント基板(PCB)関連株は下落。半導体調査会社セミアナリシスが米エヌビディアの「Kyber NVL144」が重大な支障に直面し、投入時期が12カ月超遅れるなどとX(旧ツイッター)に投稿したことが材料視された。

債券

債券は財政拡張への警戒を背景に売りが先行した。新発10年債利回りは一時前週末比6bp高い2.83%まで上昇、新発20年国債利回りも5bp高い3.8%に上昇し、それぞれ1996年以来の高水準を更新した。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは電話取材で、金利先高観を背景に売りが続いていると指摘。あすの30年債入札に加え、「骨太の方針」を受けて積極財政への警戒感が強まっていると話した。

「骨太の方針」は来年度予算の土台となるもので、国債発行額や財政規模、消費税減税を巡る議論など長期的なテーマにもつながると指摘。「国内の財政懸念がくすぶる間は、金利低下のきっかけは見出しにくい」と述べた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、財政拡張や日本銀行の金融政策がインフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブが意識され、「全体としては買われにくい」と話した。

新発国債利回り(午後3時時点)

為替

円相場は対ドルで161円台後半で推移していたが、後場にかけて162円台前半まで下げが拡大。介入警戒感がある中でも、日本の財政拡張や日米金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢だ。

みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは電話取材で円の下落について、日本の国債が売られているため財政拡張が意識されやすく円安が進みやすい地合いだと指摘。

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは電話取材で、「骨太の方針」の原案で財政規律の悪化懸念が高まり、金利上昇が始まっていることから円は買いにくい状況だと説明。新たな材料に乏しく、週の前半は161円-162円でこう着すると予想。介入警戒はあるものの、当局の最近の発言からすると差し迫った印象ではないとし、慌ててドルを売らなければいけないという状況でもないと話した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ.

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