バンス米副大統領は、イランが将来的にホルムズ海峡を通過する船舶から通航料を徴収できるようになるのかとの質問に明確な回答を避けた。ホルムズ海峡は再び航行可能となりつつあるが、この問題は石油・海運業界のほか、湾岸産油国にとって重大な関心事となっている。

米国とイランは17日、商船に対し60日間の「無料で安全な通航」を提供する覚書に署名した。その後については、ホルムズ海峡の将来的な管理体制と海事サービスを定義するため、イランとオマーンが他のペルシャ湾沿岸諸国とともに協議を行う計画が盛り込まれている。

その行方は、船主や湾岸地域の米同盟国、石油会社から注視されている。これらの関係者はここ数カ月にわたり、ホルムズ海峡での通航料は容認されるべきではないと主張してきた。国際海事法に反し、他の海上交通路にも波及しかねない危険な前例になると警告している。

トランプ大統領は16日、ホルムズ海峡は最初の60日間だけでなく、その後も通航料は無料になると述べた。これに対し、18日に米国が通航料の将来的な阻止のために行動するのか問われたバンス氏は、米国は「国際的な海上航路に通航料が課されるべきではない」と考えていると強調した一方で、最も重要なのは海峡を開放状態に維持することだとの認識を示した。

バンス氏はホワイトハウスの記者会見で、「覚書では、オマーン、イラン、そして湾岸沿岸諸国の連合が将来的にホルムズ海峡の安全確保に向けた適切な枠組みを整備していくだろう」と述べた。これは湾岸協力会議(GCC)への言及とみられる。

さらに「私が言いたいのは、このような事態を二度と起こしたくないということだ。しかし、それは通航料の問題ではなく、海峡が再び世界経済のボトルネックとして利用されないようにすることが重要だという意味だ」と語った。

海運業界と域内の産油国は、イランが初めて通航料導入の可能性を示唆して以降、一貫してこれに反対してきた。トランプ氏は5月にイランとオマーンがホルムズ海峡で通航料を導入する協議を進めているとの報道について問われた際、オマーンは適切に行動する必要があり、そうでなければ米国は「彼らを吹き飛ばさなければならない」と述べていた。

通航料の代わりにサービス料か

複数の原油タンカー船主が懸念しているのは、イランが通航料を海事サービスの料金として装う可能性だ。そうなれば、イランは規則に抵触することなく、海峡を通航する船舶から収入を得られる可能性がある。

しかし米政府当局者は、イランの核開発計画を巡る今後60日間の交渉において、料金や通航料の問題は主要な懸案事項の一つではないとの認識を示している。

トランプ氏は繰り返し、最大の目標はイランが核兵器を保有しないようにすることだと強調してきた。今週末にスイスで開始されると見込まれる協議も、この問題に焦点を当てる。

米政府高官の1人は17日、記者団に対し、ペルシャ湾沿岸のイラン近隣諸国が通航料導入に同意することは決してないとの見方を示した。

別の政府高官は今週、記者団への説明で、60日間の協議終了後にホルムズ海峡を管理する新たな体制が導入される可能性に言及していた。

この高官によると、目標はホルムズ海峡の再封鎖を防ぐ枠組みを整備し、同時に域内のさまざまな利害を保護することにある。ただし、域内の関係者が支持する案を含め、さまざまな選択肢が存在する可能性があり、米国はそれらの提案を検討すると述べた。

海運業界団体の国際海運会議所(ICS)は今週、船舶が「通航料やその他の通航許可に伴う費用を課されることなく、妨げられずにホルムズ海峡を通航できる状態への恒久的な回帰」を望むとの見解を示した。

原題:Vance Leaves Shippers in the Dark on Potential Iran Hormuz Tolls(抜粋)

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