(ブルームバーグ):スペースXは、人工知能(AI)モデル「Grok」の開発・運用に使っていた米テネシー州メンフィスのデータセンター「コロッサス1」で技術的な問題に直面したため、施設の計算能力を全てアンソロピックに貸し出すことを決めた。事情に詳しい関係者が明らかにした。
イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、3つのデータセンター群をクラスターとして運用し、膨大な計算能力を使って最先端のAIモデルの学習を進める計画だった。しかし、関係者によると、コロッサス1と10マイル(約16キロ)以上離れた2つの拠点を接続した際に通信遅延が発生し、老朽化したネットワーク基盤も問題に拍車をかけた。
より大規模で高性能なAIモデルを学習させるには、超高速の通信環境が欠かせない。施設間の接続回線が旧式だったり、帯域幅が不足していたりすると通信遅延が発生し、データセンター群全体の処理性能が低下する可能性がある。
こうした制約への対応を続けるより、施設を他社向けに提供して新たな収益源とする方が得策だとスペースXは判断したという。非公開情報であることを理由に、関係者は匿名を条件に明らかにした。
今年に入ってxAIを買収したスペースXは、新規株式公開(IPO)に向けた投資家説明で、データセンター整備を成長戦略の柱の一つとして打ち出してきた。アンソロピックとアルファベット傘下のグーグルはそれぞれ、数年にわたり数百億ドル規模に達する可能性がある計算資源の提供契約をスペースXと結んでいる。こうした契約は、ロケット開発企業からAIインフラ事業者への転換を進める同社の戦略を後押ししている。
もっとも、コロッサス1を巡る計画変更は、先端半導体を搭載したAI向け大規模データセンター群を短期間で整備しようとするマスク氏の野心的な取り組みの難しさも浮き彫りにしている。スペースXはこれまで、コロッサス1をわずか122日で建設し、自社の想定や業界平均を上回るスピードだったと強調してきた。
スペースXの担当者にコメントを求めたが、返答は得られていない。
原題:SpaceX Rented Out Computing After Own Teams Had Trouble Using It(抜粋)
--取材協力:Carmen Arroyo.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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