「AIができても人間に任せたい仕事」とは
小川キャスター:
支援の形というのは、様々あるのでしょうか。

岩井宏暁 記者:
例えば、「マツダ」では、退職金の上乗せ、再就職支援、引っ越し支援などがあります。
ただ、希望者全員が辞められるわけではなく、しっかり会社内で面接をして、この方は「マツダ」で培った技術を世の中にちゃんと還元できるのかということをしっかり考えた上で、この人は本当に早期退職していいのかを見極めた上で、辞めていくという例もあるそうです。

実際に取材した人のなかに、ずっと夢だったお好み焼き店を開業し、地元の広島に還元したいという夢を持っている方がいました。
少し早めに退職してチャレンジできるというのは、とても魅力的な制度という見方もあります。
小川キャスター:
企業側が背中を押してくれるパターンもあるということですね。
中室さん:
必ずしもリスクばかりではないということなのかもしれません。経済学の研究は、新しい技術が出てきたときに、仕事がどうなるのかということを、いろいろ研究しています。タスク、すなわち仕事は代替されるかもしれないけれど、オキュペーション、職業は消されない、減らないっていうことが分かっています。
例えば、1980年代に銀行のATMが現れたとき、「銀行員の仕事はなくなる」という風に言われました。結果、銀行の支店数が増えることによって、銀行全体の雇用量は減らなかったということが分かっています。
銀行員という職業は消えなかったけれど、銀行の中でのタスクは変わったということです。こういうことは、これから起きてくるのではないかと思っています。

最近聞いた面白いキーワードがあるのですが、「ノスタルジックジョブ」という言葉です。「AIができても人間に任せたい仕事」という意味です。
例えば、看護師、学校の先生、裁判官もそうじゃないでしょうか。AIに判断されて、「あなたの罪はこれです」と判断されると、ちょっと心配な気持ちになりますよね。
やはり、人間にやってほしい仕事があるわけですが、私はこういうのは結構、中高年の人に強みがあるのではないかと思います。「何か話を聞いてほしい。相談したい」みたいな時に、やはり年配の人にはちょっと安心できることがありますよね。
新しい仕事が増えていくという面も、私はあるのではないかと思います。
小川キャスター:
人生100年時代ですから、足元を見つめ直し、経験値も見つめ直すことも大事かもしれません。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」
岩井宏暁
報道局経済部 自動車・重工・電機担当
国家資格「キャリアコンサルタント」所持