(ブルームバーグ):制裁対象外の原油を積んだ超大型タンカーのホルムズ海峡通過が、ここ数日で増加の兆しを見せている。史上最大の供給混乱に見舞われた原油市場に一定の安堵感をもたらしている。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、10日以降、原油をそれぞれ200万バレル積載した4隻がホルムズ海峡を通過しており、通過した原油の量は1日約200万バレルに近いペースとなっている。ただ、イラン戦争前には、大小さまざまなタンカーが1日約20隻行き来していた。
信号を発したまま出港した4隻のうち、3隻はイラクで原油を積み込んだもので、残る1隻はアラブ首長国連邦(UAE)とクウェートの貨物を積載していることが、船舶追跡データから示されている。
封鎖が続くホルムズ海峡は、米イラン間の和平に向けた綱引きの対象となっている。世界の供給量はすでに約10億バレルが失われており、石油トレーダーはタンカーの通過量を注視している。イラン以外の国からの輸送は徐々に増えているものの、イランからの出荷は米国による封鎖以降、大きく落ち込んでいる。
ここ数週間では、衛星信号を切ったまま海峡を通過する船もあり、後から通過数のさらなる増加を確認できる可能性もある。
イランは今月初め、ホルムズ海峡を通過する船舶に新たな手続きを課し、「ペルシャ湾海峡当局」とする機関との調整を求めた。一方で米国は、オマーン湾の外縁からイランの港湾に対する封鎖を維持している。これにより同地域の海上交通は減速しているが、政府間の合意によって通過できた船もある。
シグナル・マリタイムの運賃アナリストであるゲオルギオス・サケラリオウ氏は、「増加の兆しはあるが水準があまりに低く、大きな違いを生むものではない。最大の問題は、湾内のタンカーがすべて出て行ったとしても、新たな船が当面入ってこないことだ」と指摘した。
原題:Oil Flows Through Hormuz Creep Higher as More Supertankers Exit(抜粋)
--取材協力:Prejula Prem.
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