経済協力開発機構(OECD)は13日に公表した最新の対日経済審査報告書で、日本銀行の政策金利が2027年末までに2%に達するとの見通しを示した。

物価上昇率は26-27年に2%目標に向かって収束すると見込む。持続的な賃金上昇の兆候が見られることや、需給ギャップの縮小を踏まえると「オーバーシュートを回避するため、政策金利は引き続き段階的に引き上げられるべきだ」と記した。

OECDは2年に一度、同報告書を公表しており、前回は日銀が24年3月にマイナス金利を解除する前の同年1月だった。現在の日銀政策金利は0.75%程度で、ブルームバーグが4月に行った調査では27年末の予想中央値は1.5%。国際通貨基金(IMF)は27年に1.5%と見込んでおり、OECDの見通しはこれらの水準を上回る。

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

ただ、中東情勢などを受けて不確実性が高まっているため、金融政策の正常化に向けては綿密なモニタリングとデータに基づく利上げペースが求められるとも指摘した。

日銀が3月に公表した推計では、経済・物価に中立的な実質金利の自然利子率はマイナス0.9%程度からプラス0.5%程度。これに2%を加えた水準が物価目標達成時の中立金利とされる。OECDはこうした推計には高い不確実性が伴うものの、現在の政策金利は名目中立金利の範囲の下限付近にあるとした。

コーマン事務総長は13日の記者会見で、日銀の政策対応が著しく遅れているとは思わないと発言。先行き経済が新たな安定に達することが明確になるにつれて、正常化のペースは加速していくとみられると述べた。超低金利が長期化すれば、財政のモラルハザードや景気減速時の政策余地の縮小といったリスクを伴うとも指摘した。

一方、報告書では中期的な財政の持続性は「重大な課題に直面している」との認識を示した。高齢化と利払い費増加で歳出は50年まで増加を続けると予想。防衛や経済安全保障に関連する支出計画は財政余力確保の必要性をさらに高めているとした。

消費税は段階的に引き上げられるべきだという提言を維持した。現在の10%の税率はOECD加盟国の中で最も低い水準にあるとし、日本は歳入拡大のため、増税による経済成長や福祉への悪影響が比較的少ない「消費税に頼るべきだ」と記した。増えた税収の一部は低所得世帯を対象とした支援措置に活用することも提案した。

現在、与野党は食品消費税を2年間ゼロ%に引き下げることを巡り国民会議で議論している。報告書は、対象を絞れずコストもかかる消費税の引き下げを行うよりも、実質賃金の堅調な伸びを可能にする環境を整えるべきだとした。IMFも2月に公表した声明で、日本政府に対し消費税減税は避けるべきだとの見解を示した。

他のポイント

  • 日本経済は強い外的環境の逆風にもかかわらず、内需に支えられて緩やかに成長すると予測
    • 物価と賃金の上昇を伴う新たな均衡状態へと移行する中、マクロ経済政策運営は注意深い調整を必要とする
  • 外国人労働者の誘致と統合のための政策を継続すべきだ
    • 外国人労働者数は過去最高を更新しているが、国際比較では依然として低い
    • 移民と女性の労働市場へのアクセス緩和を継続すれば、就業は拡大する

(第6段落にOECD事務総長の記者会見での発言を追加して更新しました)

--取材協力:横山恵利香.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.