(ブルームバーグ):訪日中のベッセント米財務長官は12日、為替動向に関して、過度な変動は望ましくないとの認識を示し、日本の当局と歩調を合わせた。
高市早苗首相との会談後、官邸で記者団の質問に答えた。ベッセント氏は、強い日本経済のファンダメンタルズが為替レートに反映されるだろうと発言。日本の為替介入に関する質問に対しては、「過度な変動は望ましくないとの認識で一致している」とし、日米当局は「緊密に連絡を取り続けており、今後もそうしていく」と語った。
政府・日本銀行は4月30日以降、円安の進行を受けて断続的に介入に踏み切ったとみられている。日銀などのデータに基づくと、合計で最大10兆円超と推定される。ベッセント氏の発言は、最近の日本の為替対応を容認していることを示唆している。
ベッセント氏はこれまで為替変動を抑えるための鍵として、日銀がインフレ抑制に取り組むことの重要性も主張してきた。利上げに慎重とされる高市首相との会談で金融政策が議題に上るかどうかも注目されていた。
日本の金融政策に関してベッセント氏は、植田和男総裁が「日銀を成功へ導く金融政策を進めることに大きな信頼を寄せている」と述べた。
会談では、強固な日米関係や日米投資プログラム、重要鉱物、トランプ米大統領の中国訪問などについて意見交換した。
官邸の発表によると、高市氏は日米の供給網強靱化に向けた取り組みや最先端の人工知能(AI)モデルのリスク最小化について発言した。両者はインド太平洋地域が直面する情勢や諸課題について意見交換を行い、ベッセント氏からは最近の米中関係について説明があったという。
今回の表敬訪問はトランプ大統領の訪中前に行われた。中間選挙を控えたトランプ氏の関心が中国との貿易交渉や、3カ月目に入るイラン戦争に注がれる中、日本としては米国が台湾に関するこれまでの立場を維持するかが焦点の一つになっている。
会談に同席した片山さつき財務相は、「非常に良い雰囲気だった」と述べ、中国訪問を前に日本の国益を守る事に関して伝えたことを明らかにした。
ベッセント氏は首相訪問後の茂木敏充外相との会談で、「共同で経済安全保障を強化する戦略的分野への投資を含む、日米貿易・投資枠組みを迅速かつ着実な実施を期待している」と表明。「さらなる投資の発表も楽しみにしている」とも述べた。
首相への表敬訪問に先立ち、ベッセント氏は経済閣僚とも個別に会談した。片山財務相とは為替への対応について日米の連携を確認。赤沢亮正経済産業相とはエネルギーや重要鉱物の分野での協力強化で一致した。
(茂木外相との会談におけるベッセント米財務長官の発言を追加して更新しました)
--取材協力:氏兼敬子.
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