片山さつき財務相とベッセント米財務長官は12日午前、財務省内で会談した。中東情勢を受けた金融市場の動向について議論するとともに、日米の連携を確認した。

会談は午前9時20分から35分間行われた。終了後の記者会見で、片山財務相は、足元の為替動向について「日米間で非常によく連携してきていることを確認した」と説明。今後とも昨年9月の日米財務相共同声明に沿って「しっかりと連携していくことを確認し、全面的にご理解を得た」と語った。

昨日来日したベッセント長官は午前9時過ぎ、財務省を訪れた。日米財務相会談は4月以来で、対面での面談は5回目となる。

主要なテーマの一つは為替動向だ。円相場は4月30日以降、大型連休中にも断続的に上昇し、政府・日本銀行が為替介入に踏み切ったとみられる。政府は具体的なコメントは控えているが、推計では4月30日以降で計8兆6500億円から10兆800億円規模の介入があったとの試算がある。

ベッセント長官はX(旧ツイッター)に、「米国と日本の強固な経済パートナーシップを再確認できたことを嬉しく思う」と投稿。その上で、「為替市場における望ましくない過度な変動への対応について、両国チーム間の意思疎通と連携は引き続き緊密かつ強固だ」と述べた。

片山財務相は、円安対応の一環としての原油先物市場への介入は「今までやっていない」とし、実施していないことを明らかにした。一方で、「選択肢ではないと申し上げたことはない」とも述べ、介入は為替市場だけにとどまらない可能性を残した。

片山財務相は先月30日の円相場急騰の前に記者団の取材に応じ、「いよいよかねてから申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と発言。三村淳財務官も、投機筋を念頭に「これを最後の退避勧告として申し上げる」と警告を発していた。

市場関係者によると、1月にはニューヨーク連銀が主要銀行に対してレートチェックを実施した。米国側が主体となってドル高・円安をけん制した経緯もある。

金融政策を巡っては「具体的手法は日本銀行の話だ」とし、日米会談の中で話題になったかどうかは明言を避けた。6月に日銀が利上げを実施できるかについては「6月までにどういう状況になっているか非常に見通しが立てにくい」としてコメントは控えた。財政政策については議論がなかったという。

ベッセント長官は12日に高市早苗首相や茂木敏充外相とも会談する。13日には韓国で、中国の何立峰副首相と会談を行う。その後はトランプ大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談に同行するため、北京へ向かう。

18、19日にはパリで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が予定されており、日米財務相は再度個別に会談する可能性がある。

日米財務相会談を経て、為替市場では円安が進んだ。午後2時10分時点では1ドル=157円台後半で推移している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の龍翔太為替ストラテジストは電話取材で、ベッセント長官から協調介入を示唆するような発言がない限り、ドルはじりじりと上値を試すとの見方を示した。

(ベッセント長官の投稿内容を加えて更新します)

--取材協力:横山恵利香、日高正裕.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.