イオンは11日、2031年2月期までの5年間で営業利益を5300億円に倍増させる計画を発表した。傘下の国内最大手のドラッグストアチェーンや食品小売に手厚く投資してトップシェア事業に育てつつ、赤字企業や事業が重複する企業の整理を進め、収益性を高める。

同日発表した経営計画は規模の拡大に加えて資本効率に重点を置いた。営業収益の目標は前期(26年2月期)比で約4割増の15兆円で、自己資本利益率(ROE)は同2.1ポイント増の8.5%以上を目指す。

イオンの千葉県内の店舗(24年7月)

けん引役は国内最大手のドラッグストアチェーンを抱えるヘルス&ウェルネス事業だ。弁当や惣菜などの商品で差別化を図る考えで、食品事業が4割を占める店舗形態を増やす。こうした設備投資に2.4兆円を充て、合併・買収(M&A)などの枠を5000億円とした。

イラン戦争に伴う原材料価格の高騰など小売を取り巻く事業環境は厳しい。吉田昭夫社長は、物価高騰が利益を圧迫しやすい状況だとしながらも、「スケールを有する企業にとっては構造的な優位性を作りやすい」と説明。ドラッグストアや食品スーパー、ショッピングモールなどの事業基盤を最大限活用するとした。

スーパー改革

ドラッグストアとともにトップシェアを目指す事業に挙げた食品小売は、首都圏のスーパー事業へのテコ入れが軸となる。イオンは前中計期間中に再編を決めたが、いかに実効性を高められるかが焦点だ。

傘下のマルエツやカスミなどで構成するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、製造・加工設備が個社ごとに最適な形で配置されていたが、全体の効率化に向けて見直しを進める。また、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の売上高を約7割増の2兆円に高める。

成長分野へ投資する一方で、構造改革も進める。3期以上連続の営業赤字会社で、赤字額が大きい企業については「重点会社」に設定。黒字化を目指すだけでなく、撤退や売却も選択肢に入れて対応する。改革のポテンシャルとして約300億円を見込む。

総合スーパー(GMS)では、食品除く衣料品分野などの再活性化を図るとした。

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