メキシコ最大級の麻薬組織を率いる「麻薬王」の息子が当局に拘束され、反発する麻薬組織と治安部隊の衝突で混乱が起きています。

メキシコの治安当局は5日、メキシコ最大級の麻薬組織の最高幹部で、麻薬王と呼ばれる「エル・チャポ」の息子、オビディオ・グスマン被告を拘束したと明らかにしました。

これに対して、麻薬組織はグスマン被告の移送を妨害するため、道路上でトラックを炎上させるなどしたほか、治安部隊と衝突。ロイター通信によりますと、これまでに治安部隊側の7人が死亡、巻き込まれた民間人8人を含む29人がけがをしています。

移送の妨害に関連する混乱は空港にも及んでいて、離陸直前の民間機が被弾しました。けが人はいませんでしたが、空港は一時閉鎖されたということです。

治安当局は2019年にグスマン被告を拘束したものの、当時も麻薬組織による反発が広がり、報復のおそれがあることから大統領の指示で釈放されていました。