(ブルームバーグ):世界最大の半導体メモリーメーカー、韓国のサムスン電子は、人工知能(AI)によるメモリー需要の拡大で半導体部門の収益性が大きく押し上げられ、同部門の利益が48倍に急増した。
SKハイニックスや米マイクロン・テクノロジーと競合している半導体部門は、1-3月(第1四半期)の営業利益が53兆7000億ウォン(約5兆7900億円)と、アナリストの平均予想(35兆3000億ウォン)を上回った。グループ全体の純利益は47兆1000億ウォンに増加した。

サムスン電子が30日発表した1-3月期決算は、米国のメタ・プラットフォームズやアマゾン・ドット・コムなどハイパースケーラーと呼ばれる大規模クラウド事業者によるAIインフラへの巨額投資を反映。
データセンターやその他ハードウエアに数千億ドル規模の資金が流入しており、AI普及の主要なボトルネックの一つであるメモリーが、もはや景気循環による好不況の波に縛られず、持続的な成長を取り込めるとの見方に傾く投資家も出ている。
米エヌビディア製などのアクセラレーターは、データ供給におけるメモリーの速度と容量に制約されるため、半導体メモリーのDRAMはAIサービスの品質を左右する重要要因となっている。
こうした状況がメモリーの「スーパーサイクル」論を生み、サムスン電子の株価は2025年に倍以上となった後、今年は約88%上昇。30日の取引でも値上がりしている。
もっとも、この見方にはAI投資のペースが持続可能かどうかを巡る懸念が根強い。メタの株価は、AIに投じた巨額資金が回収できないとの懸念から一夜にして下落した。今週に入り米OpenAIが売上高やユーザー数の目標を達成できなかったと報じられたことを受け、関連銘柄が下落し、AIが短期的に十分な利益をもたらすのかとの疑念が再燃した。
それでもアナリストらは、供給制約の中で契約価格が急上昇を続けることから、サムスンの半導体部門が今後数四半期にわたり過去最高益を更新していくと予想している。4月1-20日に韓国の半導体輸出が180%以上増加したことも、サムスン電子とSKハイニックスの双方にとって勢いが続いている兆しだと指摘する。
調査会社カウンターポイントリサーチのアナリスト、トム・カン氏によると、4-6月期のDRAM平均契約価格は前四半期比60%上昇する見通し。同社の月次メモリー価格トラッカーによれば、DRAMの平均契約価格は3月に前月比42%上昇した。
サムスン電子の全永鉉・共同最高経営責任者(CEO)は先月の株主総会で、供給の安定化と不足懸念の緩和を目的に複数年契約への移行を検討していると明らかにした。こうした動きは価格をさらに押し上げるとともに、景気循環による下振れに対する緩衝材となる可能性がある。
原題:Samsung’s Chip Profit Soars 48-Fold Due to AI Spending Frenzy(抜粋)
(詳細を追加して更新します)
--取材協力:Vlad Savov.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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