ソフトバンクグループは、人工知能(AI)やロボティクスを手がける企業「Roze」を米国で設立し、上場させる計画だ。これにより資金調達が進み、創業者の孫正義氏のAI投資拡大を後押しする可能性がある。

事情に詳しい複数の関係者によると、ソフトバンクGは早ければ年内にも設立・上場を目指すが、時期は27年にずれ込む可能性もあるという。部外秘の計画だとして匿名を条件に関係者が話した。

ソフトバンクGの担当者はコメントを控えた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は先に、Rozeの企業価値が1000億ドル(約16兆円)と評価される可能性があると報じていた。

ソフトバンクGの株価は30日、一時5.9%下落。その後、上昇に転じる場面もあったが、0.9%安で取引を終了した。

孫氏が構想する分離・上場計画は、米メタ・プラットフォームズやアマゾン・ドット・コムなどが主導する歴史的規模のデータセンター整備の持続可能性を巡る懸念の高まりと向き合うことになる。ソフトバンクGは特に米OpenAIに巨額投資を行う一方、アーム・ホールディングスをエヌビディアの潜在的な競合へと育てようとしている。

孫氏は世界的なAIブームの中核的存在となることを目指し、ソフトバンクGは債務を積み増してきた。同社は最近、追加で300億ドルを米OpenAIに投じることを決めた。さらに先月には、主に今回の出資に充てるため、ドル建てのみとしては過去最大となる400億ドルの融資を受ける契約を締結した。

FTによれば、社内の一部には、中東情勢を巡る不確実性などを背景に、Rozeの評価額や上場時期に疑問を持つ声もあるという。上場時に放出する持ち分などの詳細はまだ最終決定されていない。

ソフトバンクGはここ数カ月、AI分野への投資を加速させている。

同社はデジタルインフラ企業を傘下に持つプライベートエクイティー会社、デジタルブリッジ・グループを30億ドルで買収することで合意。それに先立ち、米半導体設計会社アンペア・コンピューティングを65億ドルで買収し、スイス重電大手ABBのロボティクス部門を54億ドルで取得すると発表している。

また、ソフトバンクGは、OpenAIやオラクル、アブダビのMGXと共に、米国でデータセンターを建設する総額5000億ドル規模の「スターゲート」構想を主導する方針を示している。一方で、データセンター運営会社スイッチの約500億ドル規模の買収も別途検討していたが、協議は今年初めに中断された。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、ソフトバンクGのAIやデータセンターへの巨額投資に対する懐疑的な見方がもともとあり、今回の報道がその懸念を一段と強めたかもしれないと述べた。AIの長期的な成長ストーリーは事実であるものの、短期的にはこうした計画が投資家の慎重姿勢を強める可能性があると指摘した。

原題:SoftBank Plans to Create and List AI Vehicle Roze in the US(抜粋)

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--取材協力:Mayumi Negishi、アリス・フレンチ.

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