米国株の投資家は短期的な下落に備える必要があると、ゴールドマン・サックス・グループは指摘した。ポジションの偏りが一段と強まり、主要な機関投資家が買い手から売り手に転じつつあることを理由に挙げた。

ゴールドマンで米州株式エグゼキューションサービス責任者兼パートナーを務めるジョン・フラッド氏は、S&P500種株価指数について、年末に向けて「さらに大きく上昇する」との見方を維持する一方、短期的には急落の可能性を示す警戒シグナルが点灯していると、26日付の顧客向けリポートで指摘した。こうした下落は買い場と捉えるべきだと述べた。

システマティック勢が主要な引き金となる可能性が高い。いわゆる商品投資顧問(CTA)は過去1カ月でS&P500種株価指数を530億ドル(約8兆4600億円)買い越し、現在は約320億ドルの買い持ちとなっており、もはや買い手ではない。今後は株式が横ばいで推移する中、売り手に転じる可能性が高く、株価が下落すれば売りが一段と強まる見通しだ。同行のトレーディングデスクのモデルが示した。

年金基金による月末の大規模なリバランスも、市場の重しになると見込まれる。ゴールドマンは、年金基金が米国株を250億ドル超売却する可能性があると試算しており、同行の売り予想としては2000年以降で上位15に入る規模だ。

「月次・四半期のリバランスなど、四半期ごとの満期要因を除けば、今回の月次ベースの売り予想は過去最大だ」とフラッド氏は付け加えた。

一方、ヘッジファンドでは、最近の相場上昇局面でショートポジションの買い戻しが進み、グロスレバレッジが低下している。ゴールドマンのプライムブローカレッジ部門のデータによると、全体の売買活動は先週、13週間ぶりに鈍化し、ファンドが株式を買い増す余地は限られている可能性が示唆される。

同部門によれば、ヘッジファンドは米国株の上昇局面を利用してリスクを減らしており、株式のロングとショート双方のポジションを昨年9月以来の最大規模で縮小した。

S&P500種とナスダック100指数は、いずれも27日に連日で最高値を更新した後、28日にはいったん反落。ただ4月は急伸しており、月間ベースでは数年ぶりの大幅上昇となる見通しだ。底堅い企業業績や米国とイランの緊張緩和への期待に支えられた。

急ピッチの上昇により買われ過ぎの領域に入ったほか、投資家のエクスポージャーも拡大。ゴールドマンの米株センチメント指標は、ポジションの偏りが行き過ぎていることを示す水準に達した。

同時に、市場の裾野の広がりは悪化している。S&P500種の52週高値と、構成銘柄の中央値の52週高値との乖離(かいり)は、2020年以降で最大級の水準にあり、上昇が一部銘柄に集中していることを示している。

このため、株式市場は反転に対して一段と脆弱(ぜいじゃく)になっている。今後数日にはアルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ・プラットフォームズといった大型テクノロジー企業が決算を発表する予定だ。

原題:Goldman’s Flood Says Brace for Near-Term Selloff, Buy Stocks Dip(抜粋)

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