米国とイランの戦争終結に向けた協議が行き詰まる中で、ホワイトハウスはイランが示した最新の提案を検討する一方、核兵器の獲得阻止を含むレッドライン(越えてはならない一線)を厳守する姿勢を明確に示した。

レビット報道官は27日、トランプ大統領がこの日、イランの提案を協議するため国家安全保障担当の高官らと会合を開いたと記者団に明らかにした。

レビット氏は「イランに関する大統領のレッドラインは極めて明確だ」と述べ、トランプ氏がこの問題にすぐに対処すると説明した。

これに先立ち、米軍による海上封鎖の解除と引き換えにホルムズ海峡の通航を再開させる暫定合意をイランが提案したと伝えられた。核協議については、米国の封鎖解除を前提にその後に先送りする。

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ大統領と側近らがイラン側の提案、特に核プログラムの部分に警戒感を抱いていると報じた。

同紙が引用した複数の当局者によると、トランプ氏は提案を即座に拒否したわけではないが、イランが誠意を持って交渉に臨んでおらず、自らの重要な要求、核濃縮停止および核兵器を決して製造しないという誓約に応じる意思がない点に言及したという。

トランプ氏の長年の盟友である共和党のグラム上院議員も懐疑的に受け止め、「交渉を成功させるには、双方に合意する意思が必要だ。この提案が事実ならイラン側は駆け引きを行っている。大統領は国と世界の利益のために自らの立場を貫くべきだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

イランのアラグチ外相は27日、ロシアのプーチン大統領と会談し、両国の関係は戦略的パートナーシップを反映しており、今後も強化され続けると語った。イラン国営ヌール通信によれば、アラグチ氏はプーチン氏に対し、イラン国民は「米国の攻撃に抵抗しており、今後もそれを乗り越えていくことができるだろう」と発言した。

イランのメディアは26日、アラグチ外相が交渉仲介国のパキスタンに対し、米国が海上封鎖を解除し、海峡通過に向けた新たな法的枠組みに合意し、イランに対して将来の軍事行動を行わないと保証すれば、紛争は終結し得るとの考えを伝える見通しだと伝えていた。

米ニュースサイトのアクシオスは、米政府当局者1人と事情に詳しい関係者2人の話として、イランがパキスタンに対し、より長期的な問題である核開発計画についての協議は先送りできるとの考えを伝えたと報じた。

和平協議が停滞し、ホルムズ海峡がほぼ通行不能な状態が続く中、原油価格は上昇。ニューヨーク時間午後の取引で、北海ブレント先物は一時1バレル=109ドルを上回った。

長期化するイラン戦争を巡り、各国の首脳からはいら立ちの声が上がっている。

ドイツのメルツ首相は、米国はイラン指導部から「屈辱」を受けていると述べ、「今の米国がどのような戦略的出口を選択しているのか、分からない」と語った。

米国とイランの暫定合意の可能性は、多くの中東専門家がここ数週間指摘してきた見方と一致する。燃料価格を引き下げ、世界経済への圧力を緩和するため、可能な限り早期にホルムズ海峡を再開し、核問題などは後の交渉に委ねるべきだというものだ。

ブルームバーグは以前、湾岸アラブ諸国や欧州の一部指導者が、こうした交渉には少なくとも6カ月かかるとみていると報じた。

ただ、トランプ氏は、いかなる合意においてもイランの核開発問題の解決が必要だとして、それまでは封鎖を維持する考えを示している。

原題:White House Says Trump Discussing Iranian Proposal With Aides(抜粋)

(WSJ紙の報道内容を追加して更新します)

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