ゴールドマン・サックス・グループは原油相場見通しを引き上げた。ホルムズ海峡の封鎖長期化に伴い在庫が極端に取り崩されていることを受けたものだ。

ダーン・ストルイベン、ユリア・グリグスビー両氏らアナリストは27日付のリポートで、北海ブレント原油相場が10-12月(第4四半期)に1バレル当たり平均90ドルになると予想。従来見通しは80ドルだった。

イランでの戦争の長期化を背景に見通しの修正が相次ぐ中、世界的な原油指標であるブレントと米国産標準油種ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)について、4-6月(第2四半期)と7-9月(第3四半期)の予想も引き上げた。

このうちブレントについては新たな見通しで、第2四半期を100ドル、第3四半期は93ドルとしている。

ゴールドマンのアナリストは「ペルシャ湾岸地域の原油生産の損失は日量1450万バレルに達し、4月には世界の石油在庫が過去最大となる日量1100万-1200万バレルのペースで減少していると推計される」と指摘。さらに、こうした「極端な在庫取り崩しは持続不可能であり、供給ショックが長引けば、一段と大幅な需要減少が必要になる可能性がある」との分析を示した。

イランと米国それぞれによるホルムズ海峡封鎖により、この海上輸送の要衝を通過する船舶はほぼゼロにまで落ち込んでいる。地域全体で日量数百万バレルの供給が停止し、ブレントは2月末の紛争開始以降で約50%上昇し、世界的なインフレ圧力を高めるとともに成長を抑制するリスクがある。

同社アナリストは「湾岸地域の輸出は従来の5月半ばではなく6月末までに正常化すると想定し、生産回復も一層緩やかになるとみている」とした上で、「石油価格の上振れリスク、異例の高水準にある石油製品価格、製品不足のリスク、前例のない規模のショックにより、経済リスクは原油の基本シナリオだけが示すよりも大きい」としている。

こうした混乱を受け、ゴールドマンは第2四半期の需給について、前年の供給過剰から一転し、日量960万バレルの不足になると予想した。

ウォール街の同業モルガン・スタンレーは、ホルムズ海峡の封鎖によりペルシャ湾からの石油輸出が日量1420万バレル減少したと指摘した。マーティン・ラッツ氏らのリポートによると、その結果、世界の在庫は日量480万バレル減少したと推計され、需要の落ち込みが差の一部を埋めたという。

リポートでは「ホルムズ海峡の封鎖以降、石油市場は主に二つの状態が同時に存在している。大半の航行は遮断されているが完全ではなく、いつでも再開が見込まれる一方で現時点では大きな変化はない」とし、「ショックは大きいがデータは不完全で、回復は条件付きだ」と指摘した。

モルガン・スタンレーはブレント相場見通しを据え置き、第2四半期は平均110ドル、第3四半期は100ドル、第4四半期は90ドルを見込んでいる。

原題:Goldman Hikes Oil-Price Outlook as Hormuz Shock Intensifies (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.