自己勘定トレーディングを手がける米ジェーン・ストリート・グループは、昨年のトレーディング収益でウォール街の記録となる396億ドル(約6兆3130億円)を計上し、驚異的な勢いで業界トップに登り詰めた。

事情に詳しい関係者によると、同社は10-12月(第4四半期)だけで155億ドルを稼ぎ、世界的な大手投資銀行に大きく差を付けた。関係者らは非公開の数字であることを理由に、匿名で話した。従業員わずか3500人のジェーン・ストリートは昨年、2位のJPモルガン・チェースを11%上回る収益を上げた。

ジェーン・ストリートの利益は、未公開企業に対する投資の評価額上昇に押し上げられている。一方で主力事業である資産全体にわたる売り手と買い手のマッチングは、市場のボラティリティー(変動性)上昇局面で活況を呈している。長期投資による利益も含まれるとはいえ、記録が破られたことは、世界金融の高収益エリアで力の構図が変化したことを示している。

ニューヨーク証券取引所に掲示されたジェーン・ストリートのロゴ

同社の成長は、その多くがテクノロジーとリスク志向に依存しており、従来の業界慣行に代わる手法を見いだすこともある。このアプローチが奏功し、同社の従業員1人当たり収益は平均1100万ドルを超えている。

2008年の金融危機後に米規制当局が厳しい規制を導入し、預金を扱う金融機関による高リスク取引を抑制しようとした結果、大手銀行はいずれ新興企業にシェアを奪われるのではないかと懸念していた。ジェーン・ストリートの台頭は、この懸念が現実のものとなった形だ。「大き過ぎてつぶせない」銀行に課される厳しい資本規制は、ノンバンクを対象としていない。

トランプ大統領のホワイトハウス復帰以降、ジェーン・ストリートには市場の活発化という追い風が吹いた。大統領の政策提案や関税、軍事的威嚇、外国の敵対勢力への攻撃で価格が大きく変動し、投資家がポートフォリオの見直しを急ぐ必要に迫られたことが、マーケットメーカーでもあるジェーン・ストリートにはプラスに作用した。

関係者らによれば、同社の2025年EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)はおよそ312億ドルだった。

ジェーン・ストリートの担当者はコメントを控えた。

原題:Jane Street Snatches Wall Street Crown With Record-Breaking Haul(抜粋)

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