米連邦捜査局(FBI)のパテル長官は有力誌アトランティックと記者を相手取り、「悪質な虚偽」に基づく報道で名誉を毀損(きそん)されたとして、2億5000万ドル(約400億円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。

ワシントンの連邦地裁に20日提起された訴訟は、「カッシュ・パテル氏、問題行動で解任の可能性も」と題した17日付の記事を対象としている。同氏はワシントンの会員制クラブやラスベガスの会場などで、酩酊(めいてい)するまで飲酒し、それが理由で会議が延期されたとアトランティック誌は指摘。警護担当者が同氏を起こすのに苦労したことが何度もあったとしている。

記事はまた、イタリア開催の冬季五輪を制した男子ホッケー米国代表チームと、ロッカールームでビールを一気飲みするパテル氏の動画にも言及。トランプ米大統領は当時、この事態を受けて、パテル氏に電話で不快感を伝えたという。トランプ氏の兄はかつてアルコール依存症を長年わずらい、死亡した。

Photographer: Daniel Heuer/Bloomberg

アトランティック誌の広報担当者アンナ・ブロス氏は「当社は本報道の正当性を支持し、この根拠のない訴訟に対し断固として擁護する」と述べた。

パテル氏は2025年2月のFBI長官就任以来、評価が分かれる。作戦遂行の積極性でホワイトハウスから評価される一方で、評論家チャーリー・カーク氏殺害容疑者の捜索など、捜査中の案件に関する時期尚早なSNS投稿や、FBI専用機の私的利用、幹部更迭を伴う大規模な組織再編などで批判も招いている。4月2日にボンディ司法長官が解任された後、パテル氏の進退を巡る臆測は強まった。

パテル氏の代理人である法律事務所が提出した訴状は、アトランティック誌がFBIに与えた回答までの時間が2時間足らずだったことや、具体的な誤りを指摘した反論の書簡を無視して記事が掲載された点、FBI副長官による否定の発言を目立たない形で扱った点に加え、見出しを「FBI長官が所在不明」にひそかに変更したと主張している。

パテル氏は2億5000万ドルの損害賠償に加え、当該記事から得た収益の支払いも求めている。

原題:FBI Director Patel Sues Atlantic in $250 Million Defamation Case(抜粋)

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