原油相場はアジア時間14日の取引で下落している。米国によるホルムズ海峡封鎖の開始を受け、米国とイランが和平協議を再開する可能性が示されたことが背景だ。

北海ブレント原油先物は1.3%安の1バレル=98.07ドル。米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は98ドル近辺で推移している。事情に詳しい複数の関係者によると、米国とイランが長期的な停戦に向けた次回の対面協議の開催について検討している。4月7日に発表された2週間の停戦が期限を迎える前に新たな協議を開くことが目標という。

これに先立ち、トランプ米大統領はホワイトハウスで「今朝、妥当な人たち、然(しか)るべき人たちから電話があった。彼らは合意をまとめたがっている」と述べた。双方の対話に誰が参加したのか詳細は明らかにしなかった。

一方、イランのペゼシュキアン大統領は、国際法と規則の枠組み内で協議を継続する用意があると述べた。

米国・イスラエルとイランの戦争は7週目に入り、原油市場は大きく揺さぶられている。エネルギーインフラへの攻撃や、イランによるホルムズ海峡の事実上封鎖により、前例のない供給ショックが発生した。米国は13日、イランのペルシャ湾岸の港湾や沿岸地域に出入りする船舶に対する封鎖を実施し、緊張を一段と高めた。

14日には、中国と関係がある米国の制裁対象となっている中距離タンカーがホルムズ海峡を航行していることが明らかになった。今回の航行に先立ちイランの港に寄港していたかどうか、また原油を積み込んでいるかどうかは不明。

ウェストパック銀行のコモディティ・カーボン調査責任者、ロバート・レニー氏は、協議再開の見通しが「ブレントやWTI先物の急激な上昇を抑制する」と指摘。「外交的シグナルが主要指標を100ドル前後またはそれ以下に抑えるとしても、根本的な供給逼迫(ひっぱく)は強まっている。ホルムズ海峡の流れが実質的に制約されている限り、実体経済における燃料価格は上昇圧力にさらされ続ける可能性が高い」と述べた。

米国ではガソリンとディーゼルの小売価格が今月に入り2022年以来の高値水準に上昇した。一方、欧州ではジェット燃料やディーゼル価格が1バレル=200ドルを超え、過去最高またはそれに近い水準まで急騰している。

週末にパキスタンで行われたイランとの協議を率いたバンス副大統領は、ガソリン価格の急騰が米国の消費者に与える影響を認めつつ、イラン産原油に対する封鎖が米国の交渉力を高めると指摘。FOXニュースに対し「われわれは目標を達成した段階にあると考えている。事態の収束に着手できる」と語った。

ホルムズ海峡を通過する船舶の動きは13日、前日の増加から一転して再び落ち込んだ。米海軍による海上封鎖を控え、警戒感が強まった。

戦略国際問題研究所(CSIS)の中東プログラム上級研究員、ウィル・トッドマン氏は、米海軍の行動について「イランに対する経済的圧力を確実に高める」とした上で、「しかし経済的影響を受けるのはイランだけではない。米国の封鎖はエネルギー価格への圧力をさらに強め、世界経済への打撃を拡大させる」と指摘した。

原題:Oil Declines as US, Iran Weigh More Talks With Blockade in Place、Stocks Rise, Oil Falls on Optimism for Iran Deal: Markets Wrap(抜粋)

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