米国の消費者が直面しているガソリン価格の急騰が、10日に発表される重要なインフレ指標に明確に表れる見通しだ。

エコノミストは、3月の米消費者物価指数(CPI)が前月比1%上昇すると予想している。イラン戦争を受けてガソリン価格が1ガロン当たり約1ドル上昇したことが背景で、単月の上昇率としては2022年以降で最大となる見込みだ。

一方、エネルギーと食品を除くコアCPIは前月比0.3%上昇が見込まれている。

CPIの発表に先立ち、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標は戦争前の物価圧力の状況を示す見通しだ。食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数は2月に前月比0.4%上昇と、3カ月連続で同水準の伸びが見込まれている。これは、インフレ鈍化への進展が紛争前から停滞していたことを示唆する。

米労働市場の安定化の兆しやこうした根強い物価圧力に加え、中東での戦争に起因する新たなインフレリスクが、米利下げの難しさを浮き彫りにしている。

ブルームバーグ・エコノミクスは、3月の米雇用統計が非常に堅調で、失業率も低下したことで、FRBが早期に利下げを再開する根拠は強まらないと指摘。また、近く発表されるデータも利下げを正当化する材料にはなりにくいとしている。

週半ばに公表される3月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレへの懸念や、イラン紛争およびそれに伴うエネルギーなどの混乱が経済に与える影響について、当局者の見解が示される可能性がある。

PCE価格指数に加え、米商務省経済分析局(BEA)は個人消費や個人所得も公表する。エコノミストによると、インフレ調整後の消費は緩やかに増加する見通しだ。

このほか、6日に米供給管理協会(ISM)の3月非製造業景況指数、10日にミシガン大学の4月消費者マインド指数(速報値)が発表される。

カナダでは3月雇用統計が発表され、急騰するエネルギーコストが雇用や失業率にどの程度影響しているかが初めて示される見通しだ。失業率は6.8%への小幅上昇が予想されている。

そのほか、ポーランド、インド、ニュージーランドなどの中央銀行は、中東情勢を見極める中で政策金利を据え置く可能性が高い。一方、中国から中南米にかけてのインフレ指標は生活費への影響を示すとみられる。

原題:US Inflation Seen Spiking in First Snapshot Since War: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Beril Akman、Brian Fowler、Laura Dhillon Kane、Monique Vanek、Robert Jameson、Mark Evans、Piotr Skolimowski、David Herbling.

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