(ブルームバーグ):KDDIは31日、子会社の広告代理事業で発覚した不正会計疑惑を巡り、特別調査委員会の報告書を公表した。組織的な事案ではないと判断されたものの、企業統治(コーポレートガバナンス)機能が正しく働かなかった責任として、KDDIの髙橋誠会長と松田浩路社長が月例報酬の3割を3カ月間返納することなどを発表した。
特別調査委は、KDDI各社の内部統制や子会社の管理体制が架空取引が起こる要因になったと説明した。今回の不正会計を受けて、KDDI経営陣が報酬を返納するほか、子会社のビッグローブ社長らが辞任する。取引に関与していた従業員2人は懲戒解雇した。
再発防止策として、取引先・与信管理基準の見直しやモニタリング体制の再構築・定期的な運用点検などを挙げている。
経営責任について問われたKDDIの松田社長は、グループ会社を統括する立場として「重い責任を感じている」と説明。今後の企業統治体制の構築や徹底などに関して、陣頭指揮を執るとした。
ビッグローブなどが手がけるインターネット向け広告代理事業で不適切な取引が行われていた疑いが発覚し、KDDIは1月に特別調査委を設置していた。
その後の社内調査で架空取引が確認され、今期(2026年3月期)の第3四半期までに売上高で約2460億円が過大計上されたほか、営業利益ベースで約330億円が外部に流出したとしている。ビッグローブの広告代理事業の売上高のうち約99.7%が架空取引だった。
KDDIはビッグローブなどを17年に買収していた。前期の有価証券報告書によれば、KDDIは連結子会社189社、持分法適用関連会社などで47社を傘下に持つ。グループ会社を多く抱える親会社としての企業統治体制の不備が露呈したかたちだ。
架空取引を受けて、今期の業績予想について売上高は6兆3300億円から6兆600億円に、営業利益は1兆1780億円から1兆900億円に下方修正した。ビッグローブが広告代理事業から撤退することも明らかにした。
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