(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、イランのエネルギー施設攻撃停止の期限を再び延長し、米東部時間4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)までとすると発表した。米国とイランの合意に向けた協議については「非常に順調に進んでいる」とも述べた。
トランプ氏は26日、SNSへの投稿で「イラン政府の要請により、本声明をもってエネルギー施設の破壊を10日間停止する」と表明。「協議は継続している。フェイクニュースメディアなどによる誤った主張とは異なり、非常に順調に進んでいる」と述べた。
イランが商業船舶の航行のためホルムズ海峡を速やかに再開しなければ発電所を攻撃するとトランプ氏が21日に警告して以降、期限延長は今回で2度目となる。
ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同日夜、米国防総省が中東に最大1万人の部隊派遣を検討していると報じた。事情に詳しい国防総省当局者の話として伝えたもので、イランとの紛争が続く中で、トランプ氏により多くの軍事的選択肢を与えることになるという。
同記事によれば、これらの部隊はすでに同地域に派遣されている数千人規模の部隊に追加される。

今回の期限延長により、米国は中東地域への追加部隊配備を進める時間をさらに確保した。一部は週末までに到着する見通し。トランプ氏は26日、軍事作戦の期間について従来の4-6週間との見通しを改めて示し、「作戦は予定より前倒しで進んでいる」と述べた。
トランプ氏の投稿を受け、新興国通貨や米国債は下げを縮小し、ドルの主要通貨に対する上昇も一服した。
原油価格は26日に上昇し、北海ブレント原油は1バレル=108ドル近辺で取引を終えた。ホワイトハウスから発信される対イラン交渉を巡るシグナルが揺れる中、投資家の間では早期解決への確信が持てていない。トランプ氏が期限延長を発表した後の時間外取引では、上げ幅を一時縮小した。
イラン政府や軍の高官が複数死亡しているため、米国が誰と交渉しているのかは依然として不透明だ。トランプ氏はFOXニュースのインタビューで、イラン側が交渉団に対し7日間の猶予を求めたが、自身は10日間を与えたと語った。
ただ、WSJ紙の26日遅くの報道によれば、和平交渉の仲介役らは、イラン側が10日間の猶予を求めておらず、交渉の進め方について依然として検討中だと述べたという。
イランは同日、タスニム通信を通じ、米国の15項目提案を拒否した後、独自条件を提示し、回答を待っていると確認した。条件には、米国とイスラエルが攻撃を再開しない保証や戦争被害の賠償、ホルムズ海峡に対するイランの権限の承認が含まれる。
イランはすべての戦線での戦闘終結も求めているとタスニムは伝えた。これは、イスラエルがレバノンで並行して行っている親イランのイスラム教武装組織ヒズボラとの戦闘を指す可能性が高い。
ウィトコフ特使は26日の閣議で、15項目の提案がパキスタンの仲介を通じてイランに伝達されたことを確認。詳細には触れなかったが、「力強く前向きなメッセージと協議につながった」と述べた。
トランプ氏は閣議で、イランが石油タンカー10隻のホルムズ海峡航行を認めたと述べた。ベッセント財務長官は同海峡での輸送を促進するための米国の保険制度が近く開始されると明らかにした。
フランス軍は同日夜の声明で、衝突が収束した後にホルムズ海峡の航行の自由を回復するための取り組みをパートナー国とともに進めていると明らかにした。
トランプ氏は11月の中間選挙を前に、与党議員からも戦闘の期間を巡り疑問を呈されている。
共和党のマカウスキ上院議員は、政権が非公開の説明でイランでの軍事作戦の範囲や目的について明確な説明をしていないと指摘した。同議員は戦争の終結目標を定めるため、作戦を承認する法案の策定に取り組んでおり、「われわれがワシントンを離れた隙に、大統領が全面占領を目指して地上部隊を投入するのではないかと懸念している」と述べた。
26日も空爆は続いた。イスラエル国防軍はイラン中部イスファハンで一連の攻撃を完了。イラン国営テレビはイスラエルに対する新たなミサイル攻撃を開始したと報じた。迎撃されたミサイルの破片がアブダビに落下し、2人が死亡した。
イランの準国営ファルス通信によると、イラン議会は、ホルムズ海峡を通過する船舶に対し、安全を提供する見返りとして通航料を課す法案の草案作成を進めている。同海峡は世界の石油と液化天然ガスの約5分の1が通過する要衝。

原題:Trump Extends Energy-Attack Pause, Claims Iran Talks Are Ongoing、Trump Extends Energy-Attack Ceasefire, Claiming Iran Request (3)、Trump Extends Pause of Iran Energy Strikes to April 6 (1)(抜粋)
(1万人の部隊派遣検討に関するWSJ紙の報道やフランス軍の声明を追加して更新します)
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