高市早苗首相は25日、中東での平和やエネルギー市場の改善はトランプ米大統領の「気持ちにもかかっている」との認識を先の首脳会談で同大統領に伝えたと述べた。

参院予算委員会の集中審議で答弁した。中東情勢を含めた国際社会の平和と繁栄に向けて米国が指導力を発揮することは重要だと発言。米国が国際的な連携の下で事態の沈静化に向けて動く環境を作るため、日本は各国と協力し、ホルムズ海峡の安全確保に向けた「国際世論の流れを作りたい」と話した。

19日の首脳会談の冒頭で首相は大統領に対し、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルド(・トランプ氏)だけだ」とし、「諸外国に働きかけて応援したい」と発言していた。この発言について「渡米する飛行機の中で徹夜で考えた」ことも明かした。

首脳会談での同発言に関しては、中道改革連合の小川淳也代表が「必ずしも日本国民の多くを代表してはいないのではないか」と疑問を呈していた。国会審議を通じて真意を説明した形だ。

エネルギー市場を巡っては、イラン情勢の動向で乱高下する場面が目立っている。25日は米国がイランとの戦争終結に向けた外交的な取り組みを強めているとの見方が広がり、北海ブレント原油は一時7%下落し、1バレル=97ドル近辺となった。

自衛隊派遣

19日の首脳会談でトランプ氏は、ホルムズ海峡での航行の安全確保に向け日本など各国に貢献を要請。高市氏は日本が法的にできることとできないことをトランプ氏に説明したとしている。

予算委で高市氏はトランプ氏にどのように説明したのか問われ、「外交上のやり取りはお答えできない」と答弁。その上で、一般論として日本関係船舶の保護に向けた海上警備行動の発令、遺棄された機雷の除去も武力の行使に当たらず実施は可能だと指摘した。

ただ、ホルムズ海峡の現状に関しては「機雷があるかないかも分からない」との見方を示した。仮に交戦中の国が機雷を敷設した場合、自衛隊が除去することは戦闘行為とみなされるとして「できない」と明言した。

その上で、自衛隊による米国への支援を約束したことは一切ないと強調。機雷掃海のための自衛隊派遣の可能性については「その時の状況を見て、機雷がどういう位置付けであるかなども含め、きっちりと法律にのっとって判断し、決めていかなければならない」と述べた。

茂木敏充外相も、停戦合意後に地域の経済回復に遺棄された機雷が障害となる場合、自衛隊による掃海は将来、「検討の対象としては考えられる」と話した。

首脳会談では、アラスカ州を含む米国産エネルギーの生産拡大に向けた協力で合意し、高市氏は日本で米国から調達した原油を備蓄する共同事業も申し出た。予算委で茂木氏は「一定部分について東南アジアなどに供給する道も開ける」と、同事業を通じ、日本が地域のエネルギー供給で役割を果たす可能性に言及した。

他の発言

  • 国益最大化には強固な日米同盟が不可欠だ
  • イラン情勢を一刻も早く沈静化させる重要性確認-日米首脳会談
  • 南鳥島レアアース、日米協力で安全にしっかり開発できる
  • 現状で法的評価することが国益に資するものではないと各国とも考えている-イラン攻撃
  • 防衛費増の財源、財政の持続可能性にも配慮し議論する

(原油市場の動きと茂木外相の発言を追加しました)

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