(ブルームバーグ):ソフトバンクグループ傘下の英アーム・ホールディングスは、自社製チップの販売に初めて乗り出す。人工知能(AI)関連機器への巨額投資の需要を取り込み、収益機会の拡大を狙う。
アームは24日にサンフランシスコで開いたイベントで、同社の新チップ「AGI CPU」の最初の主要顧客がメタ・プラットフォームズになると発表した。この製品は最大136コアを備え、消費電力は300ワットに達するという。生産は台湾積体電路製造(TSMC)が担う。
レネ・ハース最高経営責任者(CEO)の下、アームはスマートフォン向け半導体技術の提供を主軸としてきた従来の事業から転換し、データセンター市場への関与を強めている。
この転換により、同社は単価の高い製品からの恩恵を受けやすくなる。スマホ向けチップは最も高価なものでも数十ドルにとどまるが、データセンター向けの最先端半導体は数万ドルに達することもある。

ハースCEOは、新型チップの開発は顧客の要望を受けたものだと説明した。この製品は中央演算処理装置(CPU)で、エヌビディアなどが提供するアクセラレーターチップと組み合わせて動作するよう設計されている。AIへの問い合わせに対する応答処理の実行を支えるという。
「当社が開発している製品は魅力的なだけでなく、すでに購入を希望する顧客が実際に並んでいる」とハース氏はインタビューで語った。
同社は自社製品について、インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の従来型CPU設計と比べて、電力効率に優れると説明した。これにより、データセンター事業者は同じ設置スペースと電力の範囲内で、より多くの計算能力を引き出せるようになるとしている。
ハース氏は、急拡大する市場でこうした従来の有力企業からシェアを奪うことが、自社と顧客双方の成長につながると主張。「市場は複数のプレーヤーが共存するのに十分な大きさがある」と語った。
一方で自社製チップの販売は、顧客との関係を複雑にする可能性もある。メタを含む主要なデータセンター向け半導体の大口顧客の多くは、自社でチップ開発プログラムを抱えている。また、そのほぼすべてがアームの技術や設計をライセンスしている。
データセンター事業者は複数の供給元からチップを調達している。メタもその一つで、最近ではエヌビディアやAMD、スタートアップのセレブラス・システムズと長期契約を結んだ。メタはAGI CPUを他のチップと組み合わせて活用する計画だという。
同社のインフラ責任者サントシュ・ジャナルダン氏は「アームと協力してAGI CPUを開発し、当社のデータセンターの処理能力を大幅に高める効率的な基盤の導入を目指した」と発表文で述べた。
アームによると、OpenAIやセレブラス、SKテレコムなどの企業も、自社インフラへのAGI CPUの導入を計画している。
原題:Arm to Sell Its Own Chips for First Time in Bid for AI Revenue(抜粋)
(第2段落以降を追加します)
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