米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたウォーシュ元FRB理事の人事は、パウエル現議長の任期が5月に満了するまで、上院で承認されない可能性が高まった。FRB本部の改修工事に関する議会証言を巡り、パウエル氏が刑事捜査の対象となる状況が背景にある。

パウエル議長は18日の会見で、「私の議長としての任期満了までに後任の人事が承認されない場合、承認されるまで暫定議長として職務を果たすだろう。そのように法で定められており、私自身に関わるケースも含め、過去に何度かそうしてきたし、今回の状況でもそうするつもりだ」と説明した。

トランプ大統領はパウエル氏の後任としてウォーシュ元FRB理事を指名したが、パウエル氏が刑事捜査の対象となったことへの反発が議会で広がり、上院での承認手続きは進んでいない。トランプ氏は、パウエル氏を辞めさせたい意向を繰り返し表明しており、過去の先例が現在の状況にうまく当てはまるとは限らない。

米連邦準備制度法は、議長が不在の場合、FRB副議長が理事会を主宰すべきと明記しているが、議長の任期満了時に後任が承認されていないケースの対応は明示していない。

米連邦準備制度の元法務顧問スコット・アルバレス氏によれば、同法の二つの条項がパウエル氏の立場の根拠になり得る。

第10条は、FRB理事の任期が満了した場合、その理事は「後任が指名され、就任要件を満たすまで職務を継続する」と規定している。

さらに第11条によると、パウエル氏を暫定議長に選任することで、理事会は予算の審査やFRBの首席スポークスパーソンとしての役割など、議長の職務を継続して遂行する権限を基本的に委任できるという。

だが一部のFRBウォッチャーによれば、米司法省法律顧問局が作成した1978年覚書は、議長が空席となった場合、FRB理事の中から「議長代行」を任命する権限が大統領にあると助言しており、トランプ氏自身が暫定議長を指名できると主張する口実を与えると考えられる。

バークレイズの米公共政策シニアリサーチアナリスト、マイケル・マクリーン氏は顧客向けリポートで、「トランプ政権がパウエル氏を暫定議長に選任することに異議を唱えることもあり得る。そのシナリオは、FRBのリーダーシップを巡る対立を促し、法的・制度的不確実性と市場変動リスクを引き起こす恐れがある」と指摘した。

原題:Fed Law Leaves Gray Area on Vacancy as Powell Makes His Case(抜粋)

--取材協力:Stefani Reynolds、Enda Curran.

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