(ブルームバーグ):衆院選における歴史的大勝で支持基盤を強化した高市早苗首相は、2026年度予算案の年度内成立を目指している。ただ、少数与党の参院では厳しい国会運営を強いられており、構造的な壁に直面している。
片山さつき財務相は24日、今月末までに予算案が成立しない事態に備え、4月11日までの歳出を賄う11日間の暫定予算の編成作業を進める方針を明らかにした。これは月内に予算が成立しない可能性が高まっていることを示すものだ。暫定予算が編成されれば15年以来となる。
憲法の規定では、予算案が衆院を通過した場合、参院で議決が行われなくても、送付から30日で自然成立する。120兆円を超える過去最大規模の26年度予算案は13日に衆院を通過した。

今回の動きは、国会における高市首相の限界を浮き彫りにしている。2月の衆院選で圧勝した自民党は3分の2の議席を確保したが、参院では与党で過半数に達していない。予算の場合、衆院の優越で成立させることは可能だが、他の多くの法案は参院によって阻まれる可能性がある。
予算の年度内成立という高市首相の目標は、例年に比べて審議時間が大幅に減ることになるため、当初から難しいとみられていた。衆院は2000年以降最短の審議期間で通過させることができたが、参院では野党がさらなる審議時間の確保を求めている。
東京大学の内山融教授(政治学)は、高市首相が国家情報局の創設や国旗損壊罪の制定といった政策を打ち出していることについて、中道政党の「反発を招く可能性が高い」と指摘。参院における法案審議で首相が直面し得る課題を強調した。
その上で、参院で法案を通すために野党に協力を求めるのか、衆院での3分の2を多数を使って再可決するのかどうかは時点では不透明だと付け加えた。
片山氏は、「26年度予算は年度内成立が必要と考えており、現在参院で精力的に審議いただいている」と述べた。一方、「予算の空白は一日も許されないため、不測の事態に備えて関係各省庁の協力を得つつ、暫定予算の編成作業を進めたい」と語った。
年明けの衆院選は高市首相の政権基盤強化につながった一方、予算審議を遅らせる要因ともなった。今年の衆院予算委員会での審議入りは2月27日で、前年より約1カ月遅い。
さらに、松本洋平文部科学相の不倫疑惑を巡る最近の報道も審議の遅れに拍車をかけている。野党は松本氏の辞任を求めており、高市首相への圧力が強まっている。
高市内閣の支持率は依然として高く、一部の世論調査では70%に達している。先週のトランプ米大統領との首脳会談に対する肯定的な評価も一因とみられる。
読売新聞の調査では、来年度予算案について、「年度内の成立にこだわらず、国会で十分に審議する」との回答が64%で、「年度内に成立させる」は30%にとどまった。
原題:Japan to Prepare Stopgap Budget as Takaichi Gets Reality Check(抜粋)
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--取材協力:広川高史.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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