(ブルームバーグ):イラン戦争をきっかけに液化天然ガス(LNG)の争奪戦が緊張の度合いを増し、欧州に向かうはずだったLNGが仕向け地をアジアに変更するケースが増えている。
ブルームバーグが集計した船舶追跡データによれば、イランへの攻撃開始後、欧州に行くはずだったLNG船の仕向け先がアジア向けに変更されたケースは少なくとも9件に上る。そうした傾向は過去数日でさらに強まった。供給余力のバッファーは急速に底を突き、アジア・欧州間の競争激化で価格が高騰する恐れがある。
米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃と、中東各地を標的とする報復が拡大する状況で、エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡は実質的な封鎖状態が続く。
世界のLNG生産量の約20%を占めるカタールでは、北部ラスラファンにある世界最大のLNG輸出施設がイランのドローン(無人機)攻撃を受け、操業を停止した。より規模の小さいアラブ首長国連邦(UAE)アブダビのLNG輸出プラントも出荷不能の状態だ。
ラボバンクのエネルギーストラテジスト、フローレンス・シュミット氏によれば、カタールの生産停止が1週間続くごとに想定される供給過剰は150万トンずつ減少し、市場が供給不足に転じるまで約5週間しか残されていない。
ライスタッド・エナジーのアナリスト、マシュー・アッティング氏は「この状況が数カ月続き、夏まで長引く場合、グローバル市場に十分供給するには、代わりのLNGリソースは十分でない。他の主要なLNG供給国、米国とオーストラリアは既にフル操業の状態で、稼働率を上げる余地はほとんどない」と分析した。
原題:Global LNG Hunt Intensifies as Middle East War Cuts Supply (1)(抜粋)
--取材協力:Ruth Liao、Elena Mazneva、Andrew Janes.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.