欧州中央銀行(ECB)政策委員会は2月の会合で、現在の金融政策設定には、不安定な世界情勢による経済ショックにも十分な対応余地があると判断した。

ECBは5日公表した2月4-5日会合の議事要旨で、「両方向に存在するインフレリスクや、想定可能な幅広いシナリオを踏まえると、現行の政策金利水準はショックへの対応に十分な柔軟性を提供している」との認識を示した。また、「これら全てを踏まえ、政策委は忍耐強く対応できると判断したが、これは行動をためらっているとか一方向への偏った対応を意味するものではない」と続けた。

議事要旨によれば、当局者は今後の対応策についても議論し、景気見通しに重大な変化がなければ金利を長期間据え置く可能性が示された。一方、インフレの下振れリスクが高まっていることから、過信を避けることが重要だとの見解も示された。

インフレ率が2%目標に近く、経済が緩やかな拡大を維持している現状では、ECBは金利の調整に慎重な姿勢を維持している。しかし、イランでの戦争や米通商政策への不確実性の高まりにより、リスクは高まっている。

議事要旨の主な内容は以下の通り。

金利について

  • 「今後の会合に向けて、政策委は両方向に向けての完全な選択肢を維持し、見通しを変える新たな情報や大きなショックがあれば迅速に対応できるよう機動的であることが重要だ」
  • 「インフレリスクが下振れしている、あるいは12月会合以降その方向に動いているとの見方が示された」
    • 「したがって、過度な楽観を避けることが重要だ」

インフレについて

  • 当局者は、「入手したデータは、スタッフが12月に示した予測に織り込まれたインフレの基本シナリオを総じて裏付けている。従って、インフレ率は中期的には目標の2%で安定するとの見通しをあらためて確認した」
  • 「1月の総合インフレ率は予想を下回り、2%を大きく下回った。その結果、短期的なインフレ率は従来の想定よりも一段と目標を下回る可能性が高い。ただし、この単一のデータポイントから強い結論を導くことには慎重であるべきだ」
  • 「大半の委員は、インフレ見通しをめぐるリスクは上下両方向に存在しており、そのリスク分布は前回会合から大きく変わっていないとみている」
  • 「少数のメンバーは、インフレ見通しをめぐるリスクは12月のスタッフ予測と比べて上方に傾いているとの見方を示した」
    • 「中東の地政学的な緊張がエネルギー価格の一段の上昇につながるリスクもある」

経済について

  • 「世界経済は底堅さを維持し、2025年第3四半期には上振れするサプライズとなった」
  • 「『第2の中国ショック』という、中国がより高度な製品や技術分野で世界的に存在感を高めていることを指す状況は、ユーロ圏経済とその競争力にとって大きな課題として広く指摘された」

ユーロについて

  • 「ユーロの名目実効為替レートは前回会合時と比べてやや低下しており、最近の為替動向はインフレ見通しに重大な影響を及ぼさないとの見方が示された」

原題:ECB Saw 2% Rates Allowing Enough Flexibility to React to Shocks

(抜粋)

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