(ブルームバーグ):米国により爆撃されたウラン濃縮施設でイランが定期的な活動を行っていると、国際原子力機関(IAEA)が判断した。活動内容の説明はないという。この事実は、イランの核開発を巡る米国との協議を難しくする可能性がある。
IAEAのグロッシ事務局長は27日付けの非公表の報告書で、米国とイスラエルが昨年6月に攻撃対象とした施設で作業が行われていることが衛星画像で判明したと指摘。6月の戦争以降、IAEAの現地査察は阻まれているため、何が行われているかは不明だという。
この報告書をブルームバーグは確認した。
戦争から8カ月余り、ほぼ兵器級に達していたイランの高濃縮ウランの状態や所在を、IAEAは確認できていない。イランの核開発を巡っては、同国と米国の協議が続いており、来週再開する見通しだ。
12ページから成る報告書でグロッシ氏は、「イランの被災した施設にあると以前報告された全ての核物質について、IAEAは知ることができなくなった。これは喫緊に対処される必要がある」と主張した。IAEAは来週ウィーンで、イラン問題を話し合うため理事会を開く。
グロッシ氏は核施設への査察を巡る対立を解消しようと、先週ジュネーブでイランのアラグチ外相と会談した。

イランはブシェールやテヘランの原子炉など、攻撃の被害を受けていない施設にはIAEA査察官の立ち入りを引き続き認めている。グロッシ氏は報告書の中で、米国とイランの交渉が成功し、他の施設にも再びアクセスできるようになることに期待していると記した。
「交渉が成功すれば、核物質の安全な利用を保障する措置の効果的な履行に、前向きな影響を与えるだろう」と同氏は期待を示した。
新たな衛星画像は、標的が分散し部分的に隠されていることを示しており、トランプ米大統領が攻撃に踏み切るとしても、成功する保証がないことを示唆する。米国の空軍力は建物を破壊することはできるが、イランの科学的専門知識や備蓄された物質、再建する政治的意思を根絶することはできないと核不拡散の専門家は論じている。
今回のIAEA報告書は、こうした点を裏付けている。衛星画像では、濃縮ウランが保管されていると考えられる施設周辺で「定期的な車両の出入り」が確認されたという。ナタンズ、フォルドゥの濃縮施設でも追加的な活動が観測されたと、IAEAは指摘した。
グロッシ氏は「これらの施設へのアクセスがなければ、活動の性質や目的を確認することは不可能だ」と記し、「イランが保有する濃縮ウランの現在の規模や構成、所在についていかなる情報もIAEAは提供できない」と説明。IAEAはイランが一段と協力するまで、「その核開発がもっぱら平和目的であると保証する立場にはない」と続けた。
原題:Iran Seen Carrying Out Activity at Bombed Nuclear Sites (1)(抜粋)
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