ANAホールディングス傘下の全日本空輸と日本航空(JAL)は20日、国際線の航空運賃に上乗せする燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上限額を引き上げると発表した。イラン戦争の影響でジェット燃料価格が上昇していることを受け見直しに踏み切った。

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発表によると、両社はそれぞれサーチャージの基準テーブルについて、従来の15段階のゾーン区分に、新たに3段階を追加する。燃料価格と為替レートを基に算出すると、5月からのサーチャージは改定後テーブルの上限額となる見込みだったが、政府によるジェット燃料への補助金効果を踏まえ「特例」として1段階下の区分を適用する。

全日空の場合、日本発で欧州や北米などへのサーチャージは5月発券分から片道5万6000円と、それまでの3万1900円から値上げとなる。日本発で値上げ率が最も大きいのは韓国とロシア・ウラジオストク行きで従来の約2倍となる6700円が適用される。JALも最大で2倍超の値上げとなる。

また、両社とも急激な価格変動に対応するための措置として、サーチャージ決定にあたって用いるシンガポール市場のケロシン(ジェット燃料)価格の参照期間を、運賃改定適用月の3-4カ月前から2-3カ月前へと前倒しすることも明らかにした。

イラン戦争の影響で燃料価格が急騰したことを受け、航空会社によるサーチャージ引き上げの動きが相次いでいる。サーチャージの引き上げは燃料価格高騰による収益への影響を緩和できる一方、旅行需要の減少を招く恐れもあり、航空会社にとって諸刃の剣だ。

(JALの発表を追加して更新します)

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