(ブルームバーグ):エコノミストの多くが、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の任期満了前の退任を見込んでいることが、ブルームバーグが行った調査でわかった。後任には、オランダ中銀前総裁のクラース・クノット氏が最有力候補とみられている。
回答者の半数以上が、ラガルド氏が年内に辞任すると予想した。同氏が来年10月の満了まで8年の任期を全うすると予測した回答者は30%未満だった。
仮にラガルド氏が退任した場合、回答者の約57%が、後任の最有力候補としてクノット氏を選んだ。ラガルド氏が任期を全うした場合は、国際決済銀行(BIS)のデコス総支配人が後任として有力視されている。
ラガルド氏の進退を巡っては、極右勢力が勝利する可能性のあるフランス大統領選を前に同氏が退任し、新大統領ではなくマクロン現大統領が後任探しをすると報じられた経緯がある。ECBが声明を出し、ラガルド氏自身も「留任が基本方針だ」と述べたものの、臆測は鎮まっていない。
こうした動きについては、機能している欧州機関を極右勢力から守ろうとする試みとして称賛する声がある一方、ECB内部を含む一部には、影響を懸念する声もある。
調査の回答者の52%は、ラガルド氏が任期途中で退任すれば、ECBの信頼性が損なわれると答えている。約3分の1はECBの自律性にも懸念を示した。
ベルリン工科大学国際経営学部のデニス・シェン講師は「ラガルド氏の早期退任は、ECBが政治的に完全には独立していないという明確なシグナルとなる」としたうえで、「フランスの極右勢力がラガルド氏の後継者選定に関与するシナリオは、同氏の早期退任よりも、ECBの独立性にとって有害になり得る」と述べた。
ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は、フランス大統領選で極右勢力が勝利した場合、ラガルド氏の後任探しが遅れる可能性があると指摘した。米国通商政策やウクライナの戦争などのリスクがある中、ECBが長期間にわたり総裁不在の状態に陥れば、市場を動揺させる恐れがある。
こうした遅延を防ぎ、後任総裁選びにマクロン氏を関与させるため、ラガルド氏の任期満了前に欧州首脳が後任を任命する手段もある。スペインなどは日程の前倒しに反対していない。
回答者の3分の2以上が、ラガルド氏が留任したまま、フランス大統領選前に後任候補者が決定されるシナリオを想定している。ただし半数は、その結果、残りの任期でのラガルド氏の立場が弱まるとみている。
原題:Economists Say Lagarde Will Exit Early Handing ECB Job to Knot(抜粋)
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