ロシアによるウクライナへの軍事侵攻からきょうで4年を迎えました。戦闘の終結がいまだ見通せない中、JNNは激戦地である東部から命がけで避難してくる人々を取材しました。

「足を持って!」
「持ってる持ってる」
「ご気分はどうですか?」

隊員に運ばれる高齢の女性。別の日にも…。これは、ボランティア団体が撮影したウクライナ東部・ドンバス地方から市民を救助する様子です。気温が氷点下となる中、この団体は救助活動を連日続けています。

その理由は、ドンバス地方はドネツク州とルハンシク州を合わせた地域で、ロシアがすでにおよそ8割を占領したとされています。

また、ロシア側が戦闘終結の条件としてこの領土を譲るよう求める一方、激しい攻撃がつづき、そこに多くの人が取り残されているのです。

記者
「前線からおよそ60キロの場所です。ドンバス地方から避難する人々の拠点の一つとなっているような街です」

ウクライナのパブログラード。激戦地・ドンバス地方から救助されてきた人々が集まる避難所です。

記者
「ドンバスから避難してきたばかりの人たちが列をなしています。避難してきた方々が自分の名前だとかを登録して、どんな支援が必要か、どこに移住することができるのか、そうした相談をしています」

集まった避難者は、この日だけでも140人。着の身着のまま逃れ、身分証明書のない人もいます。侵攻直後にドネツク州の自宅が攻撃にあった女性です。

ドネツク州からの避難民
「ドローンが頭上を飛んでいるので、水をくみに外へ出ることさえできませんでした」

転々と続いた避難生活は“危険と隣り合わせ”だったといいます。

ドネツク州からの避難民
「もう言葉では言い表せません。みんな家も何もかも捨てて来てるんです。子どもの命を守るために」

終わりのない避難生活。

一方、ロシアのプーチン大統領は…

ロシア プーチン大統領
「ロシアは未来のため、独立のため、真実と正義のために戦っている」

和平交渉は現在も膠着状態となっています。モスクワ市民は…

モスクワ市民
「双方が停戦することを望みます。大切なのは平和です」
「政府を全面的に支持しています。大統領が言うとおり、ロシアが目標達成するまでです」

和平交渉が進まない中、避難する人は増えるばかり。

担架に横たわる85歳のバレンティナさんもその一人です。ドネツク州で50年間暮らしていましたが戦火が迫る中、足が不自由な自分がいては周りに迷惑をかけてしまう。そんな思いに加え、絶え間なく続く「停電」や「断水」で生活が壊されたことも命がけの避難を決断した大きな要因だと話します。

バレンティナさん
「今は水もなく、電気もなく、ガスもなく、暖房もない。何よりも暖房がないことです」

これまでにおよそ10万人を救助してきた団体は、この冬、避難を決断をした人は少なくないと言います。

East SOS広報 オクサナさん
「今年の冬は特に寒く、非常に厳しい状況です」

半日がかりで救助されたバレンティナさん。“故郷に戻れる日は来ない”と悟っています。

バレンティナさん
「(故郷に戻れるとは)夢にも思っていません。故郷は緑溢れる街でした。今は半分焼け焦げてしまった。これが戦争です」

4年間で1万5000人を超える市民が犠牲になったウクライナ侵攻。さらに、日々なんとか生き延びている人々の人生、故郷をも奪っています。