カナダ政府は、対話型人工知能(AI)のChatGPTの利用者を警察に通報すべきか米OpenAIが検討しながら見送っていた問題を巡り、同社幹部を召喚した。利用者はその数カ月後に銃乱射事件の単独の容疑者となった。

ブリティッシュコロンビア州タンブラーリッジで今月、子ども6人と大人2人が殺害された事件で、警察はジェシー・ヴァン・ルーツェラー容疑者(18)を特定した。同事件はカナダ史上でも最悪級の銃乱射事件の一つとされる。容疑者は犯行後に自殺したとみられている。

OpenAIは20日、容疑者のChatGPTアカウントが2025年6月、暴力行為の可能性を含む悪用を検知するシステムで警告対象となっていたと明らかにした。同社は当時、法執行機関への通報を検討したが、信頼に足る差し迫った脅威は確認できず、通報基準を満たさないと判断したという。その後、当該アカウントは停止された。

同社のAI安全対策を統括する幹部らは米国からオタワを訪れ、24日にソロモンAI担当相と会談する。ソロモン氏が23日の記者会見で明らかにした。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は匿名の関係者の話として、OpenAIがヴァン・ルーツェラー容疑者を特定していたと報じた。関係者の話を引用したところでは、容疑者は数日にわたり「銃による暴力に関するシナリオを記述していた」という。これを受けて約12人の社員の間で内部協議が行われ、一部は警察への通報を求めたという。

ソロモン氏は、OpenAIの社内協議に関する報道は「極めて憂慮すべきものだ」と述べ、報道は同社が「適時に法執行機関へ連絡しなかった」ことを示唆していると付け加えた。

同氏は「カナダ国民の安全確保に向け、あらゆる選択肢を検討している」と語り、OpenAIの対応手順などについて会社側の説明を待つ考えを示した。

原題:Canada Summons OpenAI Execs on Shooting Suspect’s ChatGPT Use(抜粋)

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